(2022年6月訪問)
下界が暑くなると標高が高いところへ避暑したくなるものです。まだ梅雨が明けやらぬ2022年6月下旬某日、東京の蒸し暑さに音を上げた私は信州の志賀高原へ逃げ、冷涼な空気に抱かれながら束の間の休息を得たのですが、その際に日帰り入浴で立ち寄ったのが「木戸池温泉ホテル」です。
その名の通り、志賀高原で静かに水を湛える木戸池の池畔に位置しており、周囲はとても爽やかな環境です。
昭和の高度経済成長期に流行った団体客向けのホテルを思わせる建物で、館内もやはりその当時の面影が色濃く残っていますが、綺麗にメンテナンスされており、スタッフの方の対応も明るく丁寧です。私がフロントで日帰り入浴をお願いすると快く受け入れてくださいました。
館内の通路を進んで浴室へ。お風呂は男女別の内湯のみで露天風呂はありません。浴場もやはり昭和のレジャー施設という雰囲気が強いのですが、ちゃんと清掃が行き届いていますし、かなり広いので、気持ち良く利用できました。
コバルトブルーのタイルが貼られた浴槽に温泉が張られ、しっかりかけ流されています。なお浴槽はこの一つです。
湯口から落とされる温泉は、お宿の説明によれば2つの源泉をブレンドしているんだとか。片方の源泉は26℃、他方は70℃で、両者を混ぜることによって加温や加水、さらには循環やろ過などを行うことない掛け流しを実現させているそうです。
実際に私が湯船に入ってみますと、お湯は無色透明でほぼ無味無臭。あまりにアッサリしており、癖が全くなく、優しくて入りやすいお湯ではありますが、温泉に求めたくなるような香りなどの特徴が無いので、人によっては物足りなく感じるかもしれません。館内に掲示されている分析表の下部には、分析対象の本温泉について「以上は温泉が巣を井水へ熱交換したものにつき、分湯枡において分析をおこなった結果である(熱交換時に微量の温泉ガス混入あり)」と記されており、つまり漢字三文字で表現しちゃうと「造成泉」ということになるかと思います。熱交換でつくられた造成泉ゆえに癖が無くアッサリしているのでしょう。お湯に対する満足度は人それぞれですが、肌の弱い方や匂いなどに過敏な方にはこのようなアッサリしたお湯だと入りやすいかと思います。付近には「熊の湯」という個性の強い温泉がありますから、それとは好対照なアッサリ系のお湯というのも有難い存在です。
なお脱衣室にはコインランドリーがあるので、宿泊利用の場合は、トレッキングやスキーなど志賀高原でのアクティビティ後に洗濯することもできますね。
お風呂上がりはご当地の冷水で喉を潤しました。うまい!
お風呂から上がって気分爽快になった私は、付近をお散歩。
下界と違って実に涼しくて爽やかです。
シラカバの近くで咲く高原のシャクナゲも綺麗。
東京に戻りたくないなぁ。
熊の湯 平床の湯
単純温泉 65.8℃ pH6.5 溶存物質0.0989g/kg 成分総計0.1089g/kg
Na+:4.0mg(20.02mval%), Ca++:10.1mg(58.90mval%),
HS-:0.4mg, S2O3--:0.1mg, SO4--:20.6mg(50.95mval%), HCO3-:20.3mg(39.10mval%),
H2SiO3:37.5mg, H2S:1.4mg,
(平成26年10月3日)
加温加水循環消毒なし
長野県下高井郡山ノ内町平穏7148
0269-34-2821
公式サイト
日帰り入浴14:00~18:00
700円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5