peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

一関市東山町のノブドウ(野葡萄)

2010年11月13日 | 植物図鑑

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2010年10月7日(木)、一関市東山町長坂字東本町の県道19号(一関大東)線沿いの土手に生えているノブドウ(野葡萄)が、瑠璃色や白磁色の果実をつけていました。この土手の上をJR大船渡線が走っており、道路の下の方には東本町の民家があります。花を植えた畑や猿沢川も見えます。

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ノブドウ(野葡萄) ブドウ科 ノブドウ属 Ampelopsis brevipedunculata

山野に普通に見られる落葉性つる植物。つるはジグザグに長く伸び、葉に対生して巻きひげが出る。葉は直径5~13㎝のほぼ円形で、普通3~5つに切れ込み、裏面の脈には粗い毛がある。

7~8月、淡緑色の小さな花が咲く。果実は直径6~8㎜のほぼ球形で、淡緑色から紅紫色、ルリ(瑠璃)色に熟すが、虫こぶになっているものが多い。実はきれいだが食べられない。葉が無毛のものをテリハノブドウと呼ぶこともある。分布:日本全土。[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑3・秋の花」より]

ノブドウ Ampelopsis glandulosa var.beterophyllaは、日本各地の山野の林縁や垣根などに普通に生えるつる植物である。朝鮮半島、中国、ウスリー地方にも分布する。茎は毎年枯れるが、下方は木化している。葉は落葉性で長い柄をもち、長さ8~13㎝、卵形で先は尖り、基部は心形になって、3または5裂する。巻きひげは葉と対生してつき、二股に分かれる。夏には葉と対生する位置から花序を出し、数回二股に分かれた枝の先に集散状に多数の5数性の花をつける。花はブドウ属の花に似ているが、花弁は合着(がっちゃく)せず、開花前に落ちることはない。秋に画像のような白、紫、青色の果実をつける。果実は瑠璃色や白磁色に色づいて、秋の日を照り返しているが、これは果実にブドウタマバエなどの幼虫が寄生したためにできた虫こぶで、寄生していない果実はほとんど見られない。食用にはならない。[朝日新聞社発行「週刊 朝日百科 植物の世界 37(東京大学総合研究資料館助教授・大場秀章・文)」より]

https://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=32592296&blog_id=82331 [peaの植物図鑑:一関市東山町のノブドウ(野葡萄)]


一関市東山町のチドリノキ(千鳥の木)

2010年11月13日 | 植物図鑑

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2010年10月7日(木)、一関市東山町の幽玄洞(東山町長坂字東本町154-1)の出口から100mほど磐井里方面に寄った所に「モシモシピット」のような駐車場があり、その山際に生えている木々の中にチドリノキ(千鳥の木)があり、果実を沢山つけていました。葉だけを見るとカエデらしくないものの、果実はカエデ科特有の翼果です。

http://www6.ocn.ne.jp/~yuugen/ [幽玄洞のホームページ]

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チドリノキ(千鳥の木) カエデ科 カエデ属 Acer carpinifolium

別名:ヤマシバカエデ。山地の谷間や渓流沿いなどに多い落葉低木~小高木。高さは8~10mになり、樹皮は黒赤色で滑らか。葉は対生し、長さ7~15㎝の卵状長楕円形で、整然と並んだ平行する多数の側脈が目立ち、先端は尾状に尖り、縁には鋭い重鋸歯がある。カバノキ科のサワシバやクマシデなどの葉にそっくりだが、カバノキ科の葉は互生なので区別できる。

4~5月頃、枝先に直径1~1.2㎝ほどの淡黄緑色の花が数個~10数個総状につく。雌雄別株。雄花には花弁が、萼片は普通4個で長い毛がある。雄しべは5~6個。雌花の雄しべは短く、子房は有毛。果実は長さ2~3㎝の翼果で、翼はほぼ直角に開く。この形を千鳥に見立てて「千鳥の木」の名がある。用途:器具材、薪炭。分布:本州、四国、九州。[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑3・秋の花」&同「山渓ポケット図鑑1・春の花」&同「山渓カラー名鑑・日本の樹木」より]

チドリノキ(ヤマシバカエデ)Acer carpinifolium:は、世界のどこにも近縁種がない特異なカエデ(日本固有の種)である。あまり植えられていないが、枝葉がよく茂る樹形はなかなか風情があり、それほど大きくならないので、庭園樹に向いている。葉の形がカバノキ科のシデ類に非常によく似ている。種小名も「シデ属の葉をした」という意味。しかし、葉が対生することでシデ属ではないことがわかる。

芽の鱗片は9~13対で、覆瓦(ふくが)状。イロハモミジの仲間と同様に、頂芽(ちょうが)は発達しないことが多い。花序は5~15花の単総状で、1~2対の葉を伴って頂芽と側芽(そくが)から出る。花は淡黄色で、萼片4枚、花弁4枚、雄しべ4~10本だが、個体によってかなり変異があり、また萼片や花弁が癒合(ゆごう)していることもある。雌雄異株(しゆういしゅ)。材の組織も、他のカエデ類と少し異なっている。

高さ10mほどになる低木から小高木で、岩手県以南の本州、四国、九州の暖帯から温帯山地に分布し、沢沿いなどによく見られる。ただし、北陸地方には少なく、山形県以北の日本海側には分布しない。材は堅い。和名は、鈍角に開く翼(よく)のある果実を、飛ぶチドリ(千鳥)の姿に見立てたものである。またヤマシバカエデの別名は、山の柴のように枝葉がよく茂る樹形からきている。[朝日新聞社発行「週刊 朝日百科 植物の世界 33 緒方 健(農林水産省森林総合研究所東北支所所長)・文」より]