2010年11月24日(水)、陸前高田市の道の駅「高田松原」に立ち寄り、昼食を食べました。すぐ近くにある古川沼に行って松原大橋から水面を見たら、全身が黒くて額の白が目立つオオバン(大鷭)と思われる鳥が泳いでいました。水底の水草でも摂っているのでしょう時々水に潜っていました。
オオバン(大鷭) ツル目 クイナ科 Fulica atra 。common Coot 。
L:39㎝、W:74㎝。全身が黒くて額の白色部が目立つクイナ類。足指は長く井状で水上生活に適している。ユーラシア大陸の温帯に広く繁殖地を持つ。日本では主に関東地方以北の湖沼や川、池などで繁殖し、少数ながら東海地方以西でも繁殖する。東北地方北部より北のものは、それより南に渡って越冬する。九州でも冬期にはよく観察されるようになるが、これは関東地方以北のものが南下するためと思われる。
生活:繁殖期には、アシ(葦)原や草むらの中に枯れ草を積み上げて巣を作り、5~10個の卵を産む。孵化した雛は顔の前面が赤く、周りが黄色味を帯びていて、後ろの方ほど黒い綿羽に包まれる。泳ぎながら水草や水棲昆虫などを食べ、時々水に潜って水底の水草をとって食べたりもする。繁殖期には番(つがい)で縄張りを持つが、冬期は群れで生活するものが多い。しかし、餌場では強いものが小さい縄張りを持ち、そこに他のものが近づくと追い払ったりもする。飛び立つ時には水面をかけるようにし、飛ぶと次列風切後縁の白線が見える。
声:水面を泳ぎながら「クェンー、クェンー」とか「キョキョーン、キョキョン」という高くてよく響く声で鳴き、鳴きかわすことも多い。幼鳥は「ピシッ」という短く鋭い声を出す。飛翔時には「キュキュー」とか「コキーコキー」と聞こえる声で鳴くことがある。
見分け方:泳いでいる姿を見る機会が多く、全身が黒いので額の白が非常に目立つ。バンは水辺で見る機会が多く、額は赤い。
時期:寒地・山地 4~9月。暖地・平地 1~4、9~12月。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の野鳥」より]