2010年11月24日(水)、道の駅「高田松原」(陸前高田市)に立ち寄って昼食を摂ったので、100mほど離れた所にある古川沼に行ってみました。松原大橋から水面に浮かんでいる水鳥を眺めていたらスズガモ(鈴鴨)と思われる冬鳥が10羽以上いました。違う種類の鳥もいないかと思って沢山撮りましたが、このほかにはオオバン(大鷭)と思われる水鳥しかいませんでした。スズガモにしても、メス(雌)ばかりのようで、オス(雄)は1羽も見つかりませんでした。
スズガモ(鈴鴨) ガンカモ目 ガンカモ科 Aythya makila 。Scaup,Greater Scaup。
L :オス・47cm 、メス・43cm。W:74~80㎝。大群をなして海面に浮かぶ、背と腹の白っぽい海ガモ類。ユーラシアと北米大陸の寒帯で広く繁殖し、日本には冬鳥として渡来する。海ガモ類の中で最も渡来個体数が多く、1984年1月15日の日本野鳥の会による全国一斉調査では約18万羽が記録されている。狩猟鳥。
生活越冬地では内湾、入江など波の静かな海面に大きな群れをなしていることが多く、海に近い湖沼や川にも姿を見せる。東京湾には毎年数万羽が渡来するが、狩猟期間になると昼間は行徳野鳥公園など安全な保護区で休息し、夜間、海上へ分散して採餌する。群が一丸となって飛ぶので、餌場との往復時に見られる朝夕の群飛翔は壮観である。
海ガモ類は、水面ではね上がるように勢いをつけて頭から水に潜る。水かきのある脚を使って水中を泳ぎ、1分近く潜っていることもある。スズガモは主に動物質の餌をとり、特に浅い海底に棲む貝類を好んで食べる。貝は丸飲みにし、胃で貝殻を砕く。
声姿はごく普通に見かけるが、鳴き声はほとんど聞かれない。オスは「ククー」と静かに鳴き、メスは「クルル」と鳴くという記録がある。しかし、この鳥の羽音は鈴の音を思わせる金属的な音でよく響く。「スズカモ」という名前はこの羽音から名づけられたのであろう。
見分け方オスはキンクロハジロにやや似るが冠羽はなく、背は白に細かい波模様があって明るい灰色に見える。メスはくちばしの基部に幅広い白色部がある。飛ぶと翼に幅の広い白い翼帯が出ることはキンクロハジロ、アカハジロと同様である。時期時期10~翌年4月。
[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の野鳥」より]