コンクリート・レボルティオ~超人幻想~ THE LAST SONG
第22話 巨神たちの時代 △+
「等身大のヒーロー」→「鋼鉄の城」への「幻想への変化」
ってのはあったと思うんですよね、「科学の子」への期待
ジローはその期待を一身に背負っていて、しかも
「等身大」でありながら「巨神」でもあるというそういう矛盾もはらんでいる。
と、同時に「技術の未熟さ」がパイロットへの非人道的な扱いや
環境へのひどい破壊行為としてあるわけで、そういうのが「通ってきた道」として
ようやく受け入れられるものとして目の前に提示されているわけで
そういう「未熟者の葛藤」が「人間らしさ」として
「成長」をやめて白けきってしまった当邦の「この時代」には
奇異なものにうつるというわけだ、少なくともそう見えるぐらいには
「時代性」や「映像」と真摯に当作品は向き合っているとおもう。
甲鉄城のカバネリ 第9話 滅びの牙 △++
「自分達を脅かすモノ」になんとか対処できる力を持ったら
今度はそれを「使って」人間同士の争いに優位を得ようとする
まあ人間の業の深さよなあ。
設定がうまいよね、「金剛郭」や「駿城(はやしろ)」とか「江戸時代」が
ベースのとこに「脅威」が訪れることによって「技術」が
歪んだ方向に突出しているのが前提としてあるわけで
そしてそこでは「倫理」も当然偏向をうけるわけで
それを「倫理的」な僕等はしばしの慰みとして受け入れているわけだ。
しかしあれだねえ1話目の「理不尽によって無力に蹂躙される」って状況と
この「力を手に入れたモノが無力なモノを蹂躙」する画の似ていることよな
「力」が人を「救わない」という絶望だ、とりわけ当事者の無名ちゃんにとってはな。
坂本ですが? 第9話 坂本君と私の出会い/一番近くて遠い人 ○
こういう「小さいエピソード」を組み合わせた形式は当作品にはいいかもな
ひとつひとつのハナシの繋がりをもうけるのが難しいからね
それは「笑い」というものの性質が根本でもっている「物語」の
一連の「つながり」を否定するそれによるともいえよう。
と、言っておきながらBパートの茂美さんの一連の件は見事なものだったかと
そもそもこのおはなしは降ってくる「無理難題」をいかに斜め上に解決
するかってとこにうまみがあるわけで、「ふつーのおばちゃんが息子に
化けて高校に潜入する」っていう時点である意味勝利しているわけで
そこでの無様な様と坂本の神フォローが当作品において最高の落差を
描き出せているわけだ、そしてその上で自分が「母親」であるという
最も平凡で、そして似つかわしい結論をもってくるすごさがある。
こうやって見ると坂本は自分にメインライトが当たっている時よりも
誰かのフォローをしている時のほうがずっと面白いのがわかる。
文豪ストレイドッグス 第10話 羅生門と虎 △+
おや、ずいぶん「バトル漫画」でかつ「BL」っぽくなってますね
「文豪」であることのしがらみを断ち切って喧嘩しているような印象。
ここでは件の「原稿用紙」が出てくる演出もなりを潜めて
思いのままに暴れていたようなかんじですわな。
思えば「泉鏡花」が「女性化」したあたりからそういうスメルは
あったような、そんな印象ではあるね。
「女体化」とか現代のメディアにおける最もありがちで、かつ
「男性的」なものが薄くなっている時代性を顕す要素ですよね
その劇薬を盛ることによってようやく「まんがらしい」(あるいはアニメ映えする)
展開になったという印象があるね、「漫画」と「文学」がようやく交差
したような、そういう一幕だったかと、そして「海外勢」の参加決定ですね
ウチの国の「文学」が海外の影響を強く受ける傾向があったことを考えると
看過できない存在ではある。
キズナイーバー 第10話
好きな気持ちがむくわれないかもなんて重々承知の上だろ? △+
んなことは充分承知の助で、でもフラれたらイタよねえという
極めてわかりやすいアタマとココロの乖離ってところだね。
ちょっと前までは「人間的成長」という動機のもとに正当化されていた
それがいよいよ億劫になって曖昧にしだしたのが時代性で
当作品はそこに冷や水をかけにきているわけだ。
「無感覚」になった犠牲者を出してくるいやらしさは相当だね
それは「キズナシステム」で無理矢理にしろ「青春ごっこ」を
今までやってきたこのおはなしのもう一方の極地ではある。
そしてこのおはなしのヒロインが「他者の感情を全てモロに感じる」とか
これはこれで極端な設定であることが明らかになるわけで
まあ「共感能力」が高い人はいるわけで、そういう青春時代の
「ちょっと特殊な感傷」を「設定」として現前に顕す
「無理矢理さ」がまあ作り手側も「青春」してんなあといった印象。
でもまあ「オトナ」が青春するのは疲れるし、イタいし、大変だよな。
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