経済なんでも研究会

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夢がない 総合経済対策 (上)

2022-11-01 07:22:12 | 景気
◇ 補助金の巨大な塊り = 政府は先週28日の臨時閣議で、新しい総合経済対策を決定した。中核となる補正予算の規模は29兆1000億円。これに財政投融資の支出を合わせた財政支出の総額は39兆円。さらに流入が予想される民間資金を加えた事業規模は71兆6000億円。もの凄い大盤振る舞いである。内閣府はこの対策によって、GDP成長率が4.6%押し上げられると推計した。にもかかわらず、この日の日経平均は240円も下落した。

経済対策の内容は、5つの分野から成り立っている。①物価高・賃上げ対応=12兆2000億円②円安を活かす施策=4兆8000億円③新しい資本主義=6兆7000億円④防災・減災、外交・安全保障=10兆6000億円⑤今後の備え=4兆7000億円。政府は①—④で構成するはずだったが、自民党内から積み上げを求める声が強く、最後の段階で⑤を追加した。

主な具体策をみると、家庭や企業の電気・ガス代の軽減に3か月で約1兆円。ガソリン料金を抑制するため元売り会社への補助金も継続するので、エネルギー関連の補助金は総計6兆円になる。また人材育成のためリスキリング(学び直し)から転職までを支援する制度の新設。新生児1人に10万円を給付。インバウンド回復のための観光企画を支援するなどが、対策の目玉となっている。

ここからも判るように、経済対策の大半は補助金だ。まだ詳細が不明なので算出は出来ないが、おそらく全体の8割以上が補助金あるいは補助金的な支出となっている。これでも金額が大きいから、GDP成長率は上がるだろう。しかし経済界は必ずしも歓迎していない。財源のほとんどが新規国債の発行で賄われることへの不安。補助金ばかりで将来の成長につながる施策が少ないからだと思われる。

                       (続きは明日)

        ≪31日の日経平均 = 上げ +482.26円≫

        ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

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