経済なんでも研究会

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夢がない 総合経済対策 (下)

2022-11-02 07:39:23 | 景気
◇ 将来への布石がなさすぎる = 物価高で苦しんでいる家庭や企業は少なくない。だから政府が補助金を出して負担の軽減を図ることも、ある程度は必要だ。しかし巨額の利益を出している企業や高額所得者にまで、電気・ガス代軽減の恩恵を与える必要があるのだろうか。とにかく補助金が多すぎて、バラマキの印象は拭い切れない。もし自民・公明党が「バラマケば、支持率は上がる」と考えているなら、大きな間違いだ。

また物価高や円安が長期にわたったら、補助金の支給を延長するのだろうか。すでに日本の財政事情は、先進国のなかでも最悪。巨額の赤字国債を出し続ければ、日本は完全に2流国へと転落する。本来ならば超大型の経済対策を歓迎するはずの企業経営者や市場関係者は、こうした将来への悪影響を深刻に心配し始めた。だから株価も上がらない。

岸田首相が大々的にぶち上げた「新しい資本主義」。これも中身はリスキリング(学び直し)とNISA(少額貯蓄非課税制度)だけ。リスキリングの予算は年間2000億円しかない。ほかに半導体、電池、ロボットなど次世代分野での民間投資を促すために3兆円。これでは日本経済の将来像が全く浮かんでこない。

ウクライナ戦争の長期化によって、「日本はエネルギーと食料の輸入依存度が高すぎる」という弱点が浮き彫りになった。だが総合対策では、この問題に全く触れていない。したがって国民の将来に対する不安は、少しも払拭されない。国民の将来不安を無くすこと--これが政治の要諦ではなかったか。その意味では、当面の膏薬貼りに終始した総合経済対策は‟夢のない政策”だった。

        ≪2日の日経平均 = 下げ ー15.53円≫










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