◇ 輸入品への補助金は国産にとって痛手 = 最近はコメのごはんよりパンや麺類を食べる人が多い。そのパンや麺類の値上がりが、人々の生活を脅かしている。政府は補助金を出して小麦価格の上昇を抑えているが、店頭価格の上昇を防げない。食用油や包装費、光熱費や輸送費が上がっているためだ。それでも補助金がなければ、パンヤ麺類の小売り価格がもっと上がっていたことは確かだろう。
国産の小麦は全消費量の17%しかない。あとは主としてアメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入に頼っている。政府は小麦をコメと同等の重要な主食と位置づけ、この輸入業務を一括して引き受け製粉業者に売り渡している。大量の契約をした方が、価格が安くなるからだ。それでも国際価格が上昇、ことし4月には売り渡し価格を17.3%引き上げた。買い付け価格は10月にも上がったが、政府は補助金を出して小売り価格が上昇しないようにした。
補助金の総額は10-3月間で300億円にのぼるとみられる。来年4月以降も継続する方針。しかし補助金によって輸入小麦の小売価格が上がらないと、国産小麦の値段も上がらない。小麦を生産する農家にとっては、痛手となるわけだ。その一方で政府は、国内の小麦生産を増大する施策も講じている。大きな矛盾であり、製粉業者に対する補助金は長く続けられないだろう。
ピンチは小麦に限ったことではない。化学肥料も飼料も、すべて輸入頼み。なにしろ日本の食料自給率は38%で、先進国のなかでも断トツに低い。世界的に食料が不足したとき、いったいどうなるのだろうか。岸田首相は農林水産省に「食料安全保障の強化策」を検討するように命じたが、答えがまとまるまでには1年もかかるという。なんとも悠長な話に聞こえる。
≪24日の日経平均 = 上げ +267.35円≫
≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
国産の小麦は全消費量の17%しかない。あとは主としてアメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入に頼っている。政府は小麦をコメと同等の重要な主食と位置づけ、この輸入業務を一括して引き受け製粉業者に売り渡している。大量の契約をした方が、価格が安くなるからだ。それでも国際価格が上昇、ことし4月には売り渡し価格を17.3%引き上げた。買い付け価格は10月にも上がったが、政府は補助金を出して小売り価格が上昇しないようにした。
補助金の総額は10-3月間で300億円にのぼるとみられる。来年4月以降も継続する方針。しかし補助金によって輸入小麦の小売価格が上がらないと、国産小麦の値段も上がらない。小麦を生産する農家にとっては、痛手となるわけだ。その一方で政府は、国内の小麦生産を増大する施策も講じている。大きな矛盾であり、製粉業者に対する補助金は長く続けられないだろう。
ピンチは小麦に限ったことではない。化学肥料も飼料も、すべて輸入頼み。なにしろ日本の食料自給率は38%で、先進国のなかでも断トツに低い。世界的に食料が不足したとき、いったいどうなるのだろうか。岸田首相は農林水産省に「食料安全保障の強化策」を検討するように命じたが、答えがまとまるまでには1年もかかるという。なんとも悠長な話に聞こえる。
≪24日の日経平均 = 上げ +267.35円≫
≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫