◇ 日本は目標を大幅に上げられるのか = インドで開いたG20(主要20か国首脳会議)は10日、首脳宣言を採択して閉幕した。ウクライナ戦争を巡って激しく対立する各国が、一堂に会したこの会議。にもかかわらず首脳宣言をまとめられたのは、議長を務めたインドのモディ首相の功績だという評価が高い。首脳宣言ではロシアや中国への批判を避け、気候変動・食料・エネルギーなど人類が直面する大問題を列挙。各国の結束を訴えた。これなら反対する国は出ない。
問題の列挙にとどまったかと思いきや、ただ1か所だけ重要な政策目標を具体的に明示した点があった。それは気候変動に関する部分で「2030年までに再生エネルギー容量を、世界全体で3倍にする取り組みを追求する」という内容。世界の現状から判断すれば、実現は不可能に近い。きわめて野心的な目標の設定だと言える。
たとえば脱炭素に最も熱心なEU。ことし3月「30年の再生エネルギー比率を42.5%に引き上げる」ことを決めた。現状と比べて2倍以上の引き上げとなるが、それでも3倍からは程遠い。日本政府の計画は「19年度の発電量1853キロワット時を、30年度に3130キロワット時に増やす」という内容。これも3倍には、とても届かない。
モディ首相は、この首脳宣言について「すべての参加国が100パーセント合意した」と明言した。文字通り解釈すれば、会議に出席した岸田首相も同意したことになる。でも岸田首相は帰国後、こんな大事な合意点について何も触れていない。「世界中の国が不可能だと考えているから」「モディ議長が勝手に書いたものだから」と考えているのかしら。
≪13日の日経平均 = 下げ -69.85円≫
≪14日の日経平均は? = 下げ≫
問題の列挙にとどまったかと思いきや、ただ1か所だけ重要な政策目標を具体的に明示した点があった。それは気候変動に関する部分で「2030年までに再生エネルギー容量を、世界全体で3倍にする取り組みを追求する」という内容。世界の現状から判断すれば、実現は不可能に近い。きわめて野心的な目標の設定だと言える。
たとえば脱炭素に最も熱心なEU。ことし3月「30年の再生エネルギー比率を42.5%に引き上げる」ことを決めた。現状と比べて2倍以上の引き上げとなるが、それでも3倍からは程遠い。日本政府の計画は「19年度の発電量1853キロワット時を、30年度に3130キロワット時に増やす」という内容。これも3倍には、とても届かない。
モディ首相は、この首脳宣言について「すべての参加国が100パーセント合意した」と明言した。文字通り解釈すれば、会議に出席した岸田首相も同意したことになる。でも岸田首相は帰国後、こんな大事な合意点について何も触れていない。「世界中の国が不可能だと考えているから」「モディ議長が勝手に書いたものだから」と考えているのかしら。
≪13日の日経平均 = 下げ -69.85円≫
≪14日の日経平均は? = 下げ≫