◇ 追い詰められる日銀 = ニューヨーク株式市場の空気が一変した。つい最近までは「年内にもう1回、最後の利上げ」という予想が圧倒的だったが、先週はこれが一挙に「来年3月には利下げ」へと変わった。このため金利は急低下、株価は急上昇。ダウ平均は年内にも、史上最高値を更新する勢いをみせている。きっかけはウォラーFRB理事の‟利下げの可能性”を示唆した発言。この人が引き締めを主張するタカ派であるだけに、そのインパクトは非常に大きかった。
インフレ収束の兆しが最初に現われたのは、先月14日に発表された10月の消費者物価。前年比3.2%の上昇で、前月より0.5ポイントも鈍化した。また小売り売上高や雇用統計など、景気の鎮静を示す数字が続出している。さらにFRBが発表したベージュブック(地区連銀経済報告)でも「全米の経済活動は10月以降、鈍化した」と明記した。こうしたところへ、ウォラー発言が飛び出したわけである。
投資家を対象にした最近の世論調査によると、「来年3月までに利下げがある」と考える人の割合は35%にのぼった。FRBの政策決定会合であるFOMC(公開市場委員会)は、来年1月と3月に開かれる。すると、やっぱり「3月の利下げ」が有力なのではないか。市場では、いま「12月と1月は据え置き、3月に利下げ」の見方が急速に拡散している。
政策金利の引下げが見込まれると、市場では債券が買われ各種の金利が下がる。このため日米の金利差が縮小、円の対ドル相場が急騰した。いま日銀はゼロ金利政策を終了させるための環境づくりに、専念している。しかし円高がさらに進行すると、ゼロ金利の終了は困難になるだろう。金利を上げれば円高が加速し、その副作用が大きくなってしまうからだ。そうかと言って何もしなければ、ゼロ金利から脱出できず、日銀は内外から批判を受けることになりかねない。
≪6日の日経平均 = 上げ +670.08円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
インフレ収束の兆しが最初に現われたのは、先月14日に発表された10月の消費者物価。前年比3.2%の上昇で、前月より0.5ポイントも鈍化した。また小売り売上高や雇用統計など、景気の鎮静を示す数字が続出している。さらにFRBが発表したベージュブック(地区連銀経済報告)でも「全米の経済活動は10月以降、鈍化した」と明記した。こうしたところへ、ウォラー発言が飛び出したわけである。
投資家を対象にした最近の世論調査によると、「来年3月までに利下げがある」と考える人の割合は35%にのぼった。FRBの政策決定会合であるFOMC(公開市場委員会)は、来年1月と3月に開かれる。すると、やっぱり「3月の利下げ」が有力なのではないか。市場では、いま「12月と1月は据え置き、3月に利下げ」の見方が急速に拡散している。
政策金利の引下げが見込まれると、市場では債券が買われ各種の金利が下がる。このため日米の金利差が縮小、円の対ドル相場が急騰した。いま日銀はゼロ金利政策を終了させるための環境づくりに、専念している。しかし円高がさらに進行すると、ゼロ金利の終了は困難になるだろう。金利を上げれば円高が加速し、その副作用が大きくなってしまうからだ。そうかと言って何もしなければ、ゼロ金利から脱出できず、日銀は内外から批判を受けることになりかねない。
≪6日の日経平均 = 上げ +670.08円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫