◇ 史上最高値でも利下げは可能なのか? = ニューヨーク市場では先行き安心感が広がり、株価は史上最高値の水準に達している。FRBが政策金利を据え置いたことから「利上げ局面は終わった。来年は利下げの年になる」という確信が急激に強まったためだ。ダウ平均は年内にも3万8000ドルを超えてもおかしくない。そんな高揚感のなかで、市場では「こんなにすんなりと上げてもいいのだろうか」という何とも贅沢な疑問さえ生じている。
振り返ってみると、FRBが引き締め政策に転じる直前、22年1月4日のダウ平均は3万6799ドルだった。現在は3万7000ドル台で、それを超えている。ということはFRBが急テンポの利上げを実施したにもかかわらず、結果的に株価は下落しなかったことになる。これはFRBによる量的な引き締めが、まだ十分な効果を発揮していないことを示すのかもしれない。
その1つの証拠は、株式購入の待機資金受け皿と言われるMMF(マネー・マーケット・ファンド)の残高。米投資信託協会の集計によると、12月13日時点の残高は5兆9000億ドルで過去最大となった。この残高はリーマン・ショック時の3兆8000億ドルをはるかに上回る。もちろん、この残高がすべて株式市場に投入されるわけではないが、余裕資金の大きさをみるには十分な数字だ。
FRBは「引き締めの効果は来年になってから現われる」とも解説している。だが一方で、株価は利下げとともにさらに上昇するだろう。株価が史上最高値を更新し続ける状態で、FRBは利下げできるのだろうか。もしかすると、株高が利下げを遅らせる原因になるかもしれない。ニューヨーク市場の贅沢な悩みは、まだまだ続きそうだ。
≪26日の日経平均 = 上げ +51.82円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
振り返ってみると、FRBが引き締め政策に転じる直前、22年1月4日のダウ平均は3万6799ドルだった。現在は3万7000ドル台で、それを超えている。ということはFRBが急テンポの利上げを実施したにもかかわらず、結果的に株価は下落しなかったことになる。これはFRBによる量的な引き締めが、まだ十分な効果を発揮していないことを示すのかもしれない。
その1つの証拠は、株式購入の待機資金受け皿と言われるMMF(マネー・マーケット・ファンド)の残高。米投資信託協会の集計によると、12月13日時点の残高は5兆9000億ドルで過去最大となった。この残高はリーマン・ショック時の3兆8000億ドルをはるかに上回る。もちろん、この残高がすべて株式市場に投入されるわけではないが、余裕資金の大きさをみるには十分な数字だ。
FRBは「引き締めの効果は来年になってから現われる」とも解説している。だが一方で、株価は利下げとともにさらに上昇するだろう。株価が史上最高値を更新し続ける状態で、FRBは利下げできるのだろうか。もしかすると、株高が利下げを遅らせる原因になるかもしれない。ニューヨーク市場の贅沢な悩みは、まだまだ続きそうだ。
≪26日の日経平均 = 上げ +51.82円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫