経済なんでも研究会

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政府の姿勢に矛盾? : 3%賃上げ

2018-01-27 08:39:14 | 賃金
◇ 明るい展望を示せないのに = 安倍首相はことしも民間に対して「3%の賃金引上げ」を強く要請。経団連もこれを受け入れ、協力することになった。しかし日経新聞などの調査によると、3%以上の賃上げを考慮している企業の数は、そんなに多くない。大幅な賃上げによって消費を増やし、経済の“好循環”を起こしたいという安倍首相の構想は、はたして実現するのだろうか。

絶好調の業績を続けながら、企業はなぜ「3%賃上げ」に慎重なのだろうか。その大きな理由の1つは、利益の大半が海外での事業展開に依存していること。企業としては儲かる海外で資金を使いたいから、国内の設備投資や賃上げには慎重になってしまいがちだ。裏返して言うと、人口が減少して行く国内経済の将来に明るい展望を持てずにいる。

政府は今週22日の閣議で、18年度の経済見通しを決定した。ここでは実質成長率を1.8%、名目成長率を2.5%と予測している。つまり日本経済は18年度中、輸出も含めて2.5%しか拡大しない。名目成長率と賃上げ率とは、必ずしも直接的に関連はしない。しかし経済のパイが2.5%しか広がらないと考えている政府が、民間企業に3%以上の賃上げを求めるのは大きな矛盾ではないだろうか。

人口が減って行くなかでも、生産性の向上や規制の撤廃で経済成長率は上げることが出来る。政府のこの説明は正しいに違いない。だが、その達成は困難だ。したがって成長率は2.5%がせいぜいとなる。政府の経済見通しは、こうして作成された。民間の経営者はそのことを感知しているから、大幅な賃上げには踏み切れない。

      ≪26日の日経平均 = 下げ -37.61円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   

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