経済なんでも研究会

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為替介入をめぐって 交錯する思惑

2024-04-16 09:30:03 | 円相場
◇ ドル高はG20会議でも主要な議題に = 円の対ドル相場は154円台にまで下落した。アメリカで3月の物価上昇率が拡大、FRBによる利下げが遠のいたという観測が強まって金利水準が上昇。日米間の金利差が拡大したためである。だが実に34年ぶりの安さになったのに、政府・日銀は介入しなかった。なぜ介入しなかったのか。相場がどこまで下落したら介入するのか。市場では疑問と思惑が渦巻いている。

先週は日米首脳会談のため、岸田首相が訪米していた。そんなときに介入すれば、カドが立つ。それで介入できなかったという見方がある。だが今週は18日からワシントンで、G20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。そこでは米ドルの独歩高に関しても、議論される見込み。すると、その前後に介入するのは節操がないとみられ、やはり難しい。

いま米ドルは、各国通貨に対して高くなっている。たとえば年初来ドルに対して、トルコ・リラは9%、日本円は8%。韓国ホアンは6%安い。すでにブラジルとインドネシアは介入、トルコは政策金利を50%に引き上げた。ユーロも対ドル相場が5か月ぶりの低さに落ち込んでいる。このような状況にどう対処するか、G20で議論される見込みだ。

アメリカの立場は微妙だ。ドル安は物価高の要因になるので、基本的には排除したい。だが新興国の経済が破たんしたり、借金の返済が滞るのも困る。日本は単独介入だと効果が薄いから、ニューヨーク市場でもドル売り介入をしたい。だがアメリカは、とても受け入れそうにない。それより「日銀が利上げしたら」と、言い返されるのは困る。だから急激な円安にでもならない限り、介入はなかなか決断できない。

        ≪16日の日経平均 = 下げ -761.60円≫

        ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
 


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