経済なんでも研究会

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トランプ大統領の 泣きどころ (下)

2019-07-04 07:43:59 | 貿易
◇ トランプvs習のハラの読み合い = 制裁関税第4弾には、家電や衣料品などの消費財が多く含まれる。したがって、これらの販売価格が値上がりすると、個人消費にブレーキがかかるかもしれない。また貿易戦争の激化を嫌気して株価が下がると、景気は悪くなる。さらに物価が上昇すれば、FRBが金利の引き下げに踏み切れない。大統領選挙の前に景気が悪化することは、絶対に避けねばならない。トランプ大統領はこう考えて、第4弾の発動を思いとどまったのではないか。

要するに“選挙第一”。選挙前に有権者を敵に回すような政策は、とらない方が賢明だ。しかしアメリカ国内には対中強硬派も少なくないから、中国に対して弱みをみせるわけにはいかない。そこで中国との貿易交渉は、とりあえず継続しておく。いつでも第4弾は発動できるぞと脅かしながら、ときには甘い提案も小出しにして交渉を長引かせる。

こうして来秋の大統領選挙で再選を果たせば、こっちのもの。あとは何の心配もなく、やりたいことがやれる。大胆にトランプ大統領のハラのうちを探れば、こういうことになるのではないか。そして重要なのは、おそらく習近平主席もそのことに気付いているということ。その結果、交渉を急がない姿勢を公然と見せているのだろう。

仮に大統領選挙でトランプ氏が負ければ、民主党から大統領が選ばれる。民主党は中国の人権問題にはうるさいが、貿易戦争は仕掛けてこない。だから現在の貿易交渉は続けるが、急ぐことはない。こちらも甘い提案を小出しにして、会議を長引かせる。もしトランプ氏が再選されたら、そこから真剣勝負が始まる。それまでに中国経済の強化に全力を挙げる。習氏のハラは、こうではないか。

       ≪3日の日経平均 = 下げ -116.11円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


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