経済なんでも研究会

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米中首脳会談の 疑問点2つ (下)

2018-12-05 07:14:01 | 貿易
◇ なぜ「中国製造2025」は消えたのか = もう1つの疑問点は、最大の対立点だった「中国製造2025」の問題が姿を消したことである。今後の90日間にわたる米中両国の交渉では①米企業への技術移転の強要②知的財産権の保護③非関税障壁④サイバー攻撃⑤サービス・農業の市場開放――の5項目が議題になると発表された。しかし最大の問題と目されてきた「中国製造2025」は、どこにも見当たらない。

「中国製造2025」というのは、中国政府が15年3月の全国人民代表大会で公表した経済成長の基本計画。半導体やITからロボット、宇宙産業に至るまで10分野の産業を、先端技術で発展させる計画だ。建国100周年の2045年を最終目標とし、その第1段階を2025年までとしている。財政からの補助は、最初の10年間で5兆2000億元(82兆円)を予定した。

この計画は、中国の産業を「先進国に追いつき、追い越す」ための国家計画だと言える。計画が順調に達成されて行くと、その成果は軍事面や宇宙開発の面にも反映されるだろう。したがって、アメリカとしても座視はできない。民間企業に巨額の補助金を出すこの計画はフェアーでないと、前々からいちゃもんを付けていた。

だが習政権としては、絶対に譲れない。共産党が最も重視する政策だし、この問題でアメリカに譲歩すれば弱腰だと叩かれる。また社会主義国家では、国が民間企業にカネを出したり口を出すのは当たり前。資本主義国から文句を言われても、修正するわけにはいかない。しかし最大の対立点であることは事実。この問題を回避して、貿易戦争の終結はありえないのでは。

       ≪4日の日経平均 = 下げ -538.71円≫

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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