経済なんでも研究会

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米中首脳会談の 見どころ (上)

2019-02-27 08:09:13 | 貿易
◇ 大成功と宣伝するものの = トランプ大統領は24日、米中貿易交渉について「十分な進展があったため、3月2日に予定していた25%への関税引き上げは延期する」と発表。これに伴い、閣僚級の交渉も1か月ほど継続し「3月中には首脳会談を開いて、最終的な決着を目指す」ことを明らかにした。これにより米中貿易戦争の激化は、当面避けられることになった。

これまでに漏れてきた情報を総合すると、首脳会談では6項目の議題について合意した内容を覚え書の形で交換する。その6項目は①輸入増加②為替③技術移転④知的財産保護⑤サービス分野⑥非関税障壁――となる模様。このうち最も前進したのは輸入増加で、たとえば中国はアメリカ産大豆を1000万トン追加輸入することになった。昨年の輸入実績は1600万トンだから、増加率は6割以上になる。

このほか小麦、トウモロコシ、さらにはLNG(液化天然ガス)などについても、品目ごとに輸入増加目標量が定められたようだ。また為替についても、中国側は「輸出を増やすための元安政策はとらない」と確約した模様。さらにサービス分野の開放、知的財産権の保護、非関税障壁の問題についても、一定の合意が得られたものとみられる。

しかし覚え書が作成される6項目のなかには、中国政府の国有企業に対する補助金の問題が見当たらない。中国側も経済政策の根幹にかかわるだけに、譲れないのだろう。トランプ大統領は首脳会談の前に、そこにまで楔を打ち込もうとしているのか。それとも補助金問題には目をつぶって「首脳会談は大成功」と宣伝するつもりなのか。大きな見どころの1つである。

                                 (続きは明日)

       ≪26日の日経平均 = 下げ -78.84円≫

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫           

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