経済なんでも研究会

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株価はいつ下げ止まるのか : 新型肺炎

2020-02-01 08:23:25 | 株価
◇ SARSの場合との違いは? = 投資家は経済の先行きに不安を感じると、直ちに資金の投下先を変更する。たとえば中東地域で戦火が上がったり、米中経済戦争の緊張度が増したりすると、株式市場からは資金が引き揚げられ、金や国債市場に投入されることが多い。今回の新型肺炎は、戦争や経済摩擦とは全く性格を異にしている。しかし投資家の行動は、ほぼ同じだ。

武漢市で発生した新型肺炎のニュースが市場を驚かせたのは、先週20日の月曜日夜だった。この日の日経平均株価の終り値は、まだ2万4000円台をキープ。ところが2週間後の現在、株価は2万3200円にまで落ち込んだ。ほぼ800円の値下がりだ。一方、ニューヨーク市場はこの日、キング牧師誕生記念日でお休み。前週末のダウ平均は2万9300ドルを超えて、史上最高値を更新中だった。それが現在は2万8200ドルで、この間に1000ドル以上も下げている。

SARSは同じ中国で02年11月に発生、03年7月に終息した。異常事態は約9か月間続いたわけである。ところが日経平均は最初の5か月は下落したものの、03年4月からは急速に上昇した。当時の株価はバブル崩壊で相当に売り込まれていたこと、イラク戦争が瞬時に終わったこと、それにSARS拡大の勢いが止まったことが、大幅な反発の原因だった。

このように、SARSは株価の下げ局面で発生している。これに対して、新型肺炎は上げ局面で発生した。もっと大きいのは、世界経済に占める中国の比重が、当時より格段に大きくなっていること。中国経済の鈍化が加速したり、生産拠点としての能力が低下すると、世界全体が大きな打撃を被るだろう。市場はそれを懸念する。とにかく新型肺炎の拡大スピードが、一日も早く鈍ることが最重要だ。

       ≪31日の日経平均 = 上げ +227.43円≫

       【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】   

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