経済なんでも研究会

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恒大ショックの 勘どころ (上)

2021-09-28 07:16:04 | 中国
◇ 政府が潰す巨大不動産会社 = 中国の不動産業最大手・恒大集団の経営行き詰まりが報じられ、世界の株価は先週いっせいに急落した。ただ週の後半、期日が来ていた社債の利子が支払われたため、株価は大きく戻している。しかし、これで一件落着と考える人はいない。次々と迫ってくる巨額の債務返済に対応できる可能性は、きわめて低いと予想されるためである。

恒大集団は1996年、広州市で創業。小型マンションの建築・販売で不動産ブームに乗り、急成長を遂げた。最近は従業員20万人、取り引き先企業は8000社、飲料水からEV(電気自動車)までを手掛ける巨大コンツェルンに変貌している。ただ、その商法は建築したビルやマンションを抵当に借金し、そのカネで次のプロジェクトを進めるというやり方。

このため債務総額は、日本円に換算すると33兆4000億円に膨れていた。その内容は、借入金・社債・株式。さらには下請けへの未払い金・マンションなどの契約収入金ということになる。こんな状況のなか、昨年夏に雷が落ちた。政府・中央銀行が、行きすぎた不動産バブルを抑制するため、金融機関に対して不動産融資の規制を断行したのである。これで恒大集団の経営は、一挙に揺らぐことになった。

見方を変えると、恒大集団の経営破たんは政府が意図的に仕組んだ結果。不動産バブルを終息させるための“見せしめ”と考えてもいい。ただし、それが連鎖的な企業倒産を引き起こすことは避けなければならない。中国の不動産産業はGDPの約7%を占める。仮にそれが2割も縮小すれば、GDPは1.5%減少してしまう。では習近平政権は、どのようにこの問題を解決しようとしているのか。

        ≪27日の日経平均 = 下げ -8.75円≫

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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