経済なんでも研究会

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貿易大赤字が 教えること (下)

2023-04-28 08:06:36 | 貿易
◇ 「自民党が野党になった」ことが一因? = EIA(米エネルギー情報局)の発表によると、アメリカでは多くの州が補助金や免税措置をとって再生可能エネルギーの普及に努力している。この結果、たとえばテキサス州では風力、カリフォルニア州では太陽光による発電比率が急増した。全米でみると、再生エネルギー発電の比率が20%を超え、石炭火力を抜いて天然ガスに次ぐ2位となっている。

EUでも22年中に、風力と太陽光を中核とする再生エネルギー発電が6200万㌔㍗分増加した。この結果、再生エネルギー発電の比率は22%に上昇、天然ガスの20%を上回った。ウクライナ戦争前に比べて、太陽光発電は24%も増加している。さらに23年も補助金の効果で、再生エネルギー発電は大幅に増える見込み。化石燃料による発電の比率は20%を下回ると推計されている。

日本は、どうだろう。資源エネルギー庁の集計によると、21年度のエネルギー自給率は13.4%。つまり9割近くを輸入に頼っているのだから、国際価格が高騰すれば貿易収支は大赤字になるのは当然だ。したがって自給率を高めることが必要だが、それが遅々として進まない。たとえば発電に占める再生エネルギーの割合は、21年度で20.3%。前年より0.5ポイントしか上昇しなかった。しかも火力による発電比率は72.9%で、世界でもズバ抜けて高い。

その一因は「自民党が野党化したことによる」と言ったら、飛躍し過ぎだろうか。電気・ガス・ガソリン価格の高騰に対して、自民党は補助金を出して価格を抑える政策を継続した。かつては野党が主張したような対策である。この結果、自給率を上げるような政策には予算が回らなくなった。だから貿易の大赤字が続く。そして野党は、選挙で勝てなくなった。

        ≪27日の日経平均 = 上げ +41.21円≫

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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