経済なんでも研究会

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大学は 氷河期入り : 少子化の影響大

2023-07-26 07:40:42 | 人口
◇ 入学は楽になる? 難しくなる? = 文部科学省は「大学の生存競争が激しくなる」ことを裏付ける数値を発表した。その推計は「大学への入学者数は40年に51万人、50年に49万人まで減少する」という内容。22年の入学者数は63万人だったから、今後17年間で12万人も減ることになる。現在、全国の大学は約800校。定員の総数は62万人なので、このままなら約2割の定員割れが発生するわけだ。原因はもちろん少子化の進行。

すでに大学は氷河期に入っている。日本私立学校振興・共済事業団によると、22年に定員割れとなった私立大学は284校に達した。私立大学の3割が赤字経営に陥っている。なかにはことし新入生を採らず、撤退の準備に入った学校もあるという。政府が大学設立の基準を大幅に緩和したため、この30年間で私立大学は1.5倍に増えた。いま、その巻き戻しが始まったと言えるだろう。

多くの大学が、生き残るための方策を考えている。たとえば電子工学・環境問題・地域経済などに特化した学部を新設、独自性を高めようと考え始めた。こうして大学間での切磋琢磨が始まると、学校の教育水準は向上するに違いない。だが競争に負けた学校は、退出を余儀なくされる。こうして学校数が大幅に減ると、入学者は少なくなっても大学への入学はむしろ難しくなるかもしれない。

その一方、入学試験を極端に易しくして生き残りを図ろうとする学校も現れるだろう。そんな学校が乱立すれば、大学全体の評価は上がらない。入学は楽になるかもしれないが、あまり意味はない。氷河期に入った大学が、どんな方向に流れるのか。そのかじ取りは、文科省が引き受けることになる。ことし生まれた赤ちゃんが、いい環境で大学生となれるように。文科省はしっかり方針を立ててもらいたいものだ。

        ≪25日の日経平均 = 下げ -18.43円≫

        ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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