◇ 健常者の統計をなぜ出さない? = 厚生労働省の統計によると、老人福祉法が制定された1963年の100歳以上人口はわずか153人だった。だから当時はお祝いの意味で、100歳以上の人口を発表したのだろう。だが、いまや文字通り“人生100年時代”。高齢者が多いかどうかよりも、介護に頼らない高齢者、あるいは健康で働ける高齢者が多いかどうかが問われる時代となっている。この意味で高齢者の人口統計には、健常者の人口や比率をぜひ加えるべきである。
新しく厚生労働相に就任した武見敬三氏はテレビ番組で「元気な高齢者をたくさん増やし、働く意欲のある方は生産性の高い仕事を積極的にやってもらう」と述べ、労働力の確保に向けて高齢者支援に乗り出す考えを表明した。こうした政策を遂行するためにも、その土台となる健常高齢者、あるいは健康寿命などの人口統計は欠かせない。だが厚労省も総務省も、現状ではこの面を疎かにしている。
100歳以上の超高齢者が増えるのは、いいことだ。しかし、その大半が寝た切りや医療・介護保険の高額利用者になったら大変だ。逆に健康な高齢者が増加すれば、人手不足の解消に役立つだけでなく、社会保障費の節約にもつながる。武見厚労相は「元気な高齢者をたくさん増やす」と述べたが、「どうすれば元気な高齢者がたくさん増えるか」に全力を投入してもらいたい。
その第1歩として始めてほしいのは、現在は3年に1度しか集計しない“健康寿命”の統計を毎年公表すること。また人口統計に健康な高齢者の人数を示すこと。総務省と厚労省が似たような人口統計を作成するムダは止めて、こういう改革をしてほしい。武見さん、どうですか。
≪21日の日経平均 = 下げ -452.75円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
新しく厚生労働相に就任した武見敬三氏はテレビ番組で「元気な高齢者をたくさん増やし、働く意欲のある方は生産性の高い仕事を積極的にやってもらう」と述べ、労働力の確保に向けて高齢者支援に乗り出す考えを表明した。こうした政策を遂行するためにも、その土台となる健常高齢者、あるいは健康寿命などの人口統計は欠かせない。だが厚労省も総務省も、現状ではこの面を疎かにしている。
100歳以上の超高齢者が増えるのは、いいことだ。しかし、その大半が寝た切りや医療・介護保険の高額利用者になったら大変だ。逆に健康な高齢者が増加すれば、人手不足の解消に役立つだけでなく、社会保障費の節約にもつながる。武見厚労相は「元気な高齢者をたくさん増やす」と述べたが、「どうすれば元気な高齢者がたくさん増えるか」に全力を投入してもらいたい。
その第1歩として始めてほしいのは、現在は3年に1度しか集計しない“健康寿命”の統計を毎年公表すること。また人口統計に健康な高齢者の人数を示すこと。総務省と厚労省が似たような人口統計を作成するムダは止めて、こういう改革をしてほしい。武見さん、どうですか。
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