◇ 日本経済にも悪影響が波及 = 主要先進国が金融の量的緩和を始めた08年末ごろから、世界中に溢れた巨額の資金が新興国に流れ込んだ。新興国の成長性と比較的高い金利に、投資家が目を付けた結果である。IIJ(国際金融協会)の調査によると、09-17年の間に新興国の株式には7500億ドル、債券には1兆6000億ドルの資金が投入された。
この資金が、いま逆流を始めたわけである。この逆流が止まらないと、新興国は多かれ少なかれ経済的に困難な事態を迎える。かつて1980年代の前半には南アメリカ諸国が債務不履行の状態に、また1990年代後半にはアジア諸国が通貨危機に陥った。その影響で、世界経済も不況に襲われている。
資金の逆流は、アメリカの金利しだいで程度が変わってくるだろう。そのアメリカでは、FRBによる6月の再利上げは必至という見方が圧倒的に強い。したがって少なくとも秋口までは、逆流が続くと考えられる。ただ80年代や90年代に比べれば、新興国の経済基盤も強化されている。その抵抗力がどこまで発揮されるかは、全く不透明だ。
新興国の経済が不調になれば、日本の新興国向け輸出が抑制される。不調が世界経済全体にまで広がれば、日本経済にも大きな影響が及ぶことは避けられない。すでに東京の株式市場では、中国やインド、あるいは東南アジア諸国との関連が深い銘柄が売られ始めた。北朝鮮リスクが軽減しつつある裏で、発達中の新たな積乱雲には要警戒である。
≪15日の日経平均 = 下げ -47.84円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
この資金が、いま逆流を始めたわけである。この逆流が止まらないと、新興国は多かれ少なかれ経済的に困難な事態を迎える。かつて1980年代の前半には南アメリカ諸国が債務不履行の状態に、また1990年代後半にはアジア諸国が通貨危機に陥った。その影響で、世界経済も不況に襲われている。
資金の逆流は、アメリカの金利しだいで程度が変わってくるだろう。そのアメリカでは、FRBによる6月の再利上げは必至という見方が圧倒的に強い。したがって少なくとも秋口までは、逆流が続くと考えられる。ただ80年代や90年代に比べれば、新興国の経済基盤も強化されている。その抵抗力がどこまで発揮されるかは、全く不透明だ。
新興国の経済が不調になれば、日本の新興国向け輸出が抑制される。不調が世界経済全体にまで広がれば、日本経済にも大きな影響が及ぶことは避けられない。すでに東京の株式市場では、中国やインド、あるいは東南アジア諸国との関連が深い銘柄が売られ始めた。北朝鮮リスクが軽減しつつある裏で、発達中の新たな積乱雲には要警戒である。
≪15日の日経平均 = 下げ -47.84円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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