経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

小麦が 足りなァ~い! (上)

2022-11-24 07:30:22 | なし
◇ 戦争・異常気象・需要増加で価格が上昇 = ロシア・ウクライナ・アメリカ・フランス・カナダ・オーストラリア・カザフスタン・アルゼンチン――小麦の主要な輸出国である。アメリカ農務省の推計によると、これら主要輸出国の小麦在庫は来年8月に計5570万トンまで減少。10年ぶりの低水準に落ち込む見通し。このため小麦の国際価格は再び上がり始め、1ブッシェル=8ドル台後半に。この3か月で14%ほど上昇した。

小麦が世界的に不足している原因はいろいろ。ロシアによるウクライナ侵攻、異常気象、需要の増大、肥料不足、それに生産国の自国優先主義・・・など。このうち最大の原因は何と言っても、ウクライナ戦争の影響だ。ウクライナは世界第5位の小麦輸出国。トルコと国連の仲介で輸出は再開されたが、その量は前年の6割程度。しかも、いつ輸出が止まるか判らない不安がつきまとう。

加えて異常気象の襲来。ことしヨーロッパ諸国は500年ぶりと言われる大干ばつに苦しみ、小麦の生産量は15%以上も減った。アメリカやオーストラリアも広い範囲で干ばつに見舞われている。またアジアを中心にパンヤラーメンの消費が増大、小麦の需要が30%も増えた。さらにロシア産の化学肥料が供給不足。インドなどの小麦生産国では、自国の消費を優先するため輸出を規制する事態まで起きている。

戦争が長引いているためウクライナでは作付けが出来ず、来年の収穫は半減するとみられている。また干ばつの影響で河川の水位が下がり、船舶による輸送コストも上昇。小麦の国際相場は、いっそう上昇する可能性が高い。その結果、先進国では小麦の獲得競争が始まり、新興国では買い付けが困難になるという危険も浮かび上がってきた。そうしたなかで、日本は・・・。

                     (続きは明日)

        ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

意外に健闘した  企業業績

2022-11-22 07:52:28 | 利益
◇ 下半期の見通しはそんなに甘くない? = 上場企業の4-9月期決算がほぼ終了した。日経新聞が1159社を対象に集計したところによると、全産業の純利益は前年比4.8%の増加だった。厳しい環境にもかかわらず、予想外の健闘だったと言えるだろう。製造業は原材料の高騰で1.4%の増益にとどまったが、非製造業が8.2%と大きく伸びた。非製造業の増益幅は10-3月期にさらに拡大、この結果22年度は全産業で7.4%の増益になる見通し。

4-9月期の決算を業種別にみると、製造業では石油が55.2%、機械が33.5%、鉄鋼が18.0%の増益だった。その一方で、自動車・同部品は15.4%の減益となっている。資源高や円安の影響が、業種によって大きく異なった。非製造業ではコンテナ船運賃の高騰で海運が200%、資源高で商社が38.7%の増益。通信は31.0%、銀行は27.2%の減益となっている。

10-3月期の見通しも、非製造業が引っ張る形となっている。企業の見通しを集計すると、製造業はいぜんとしてコストの上昇が重しとなって、来年3月までの通期では0.2%の減益に。しかし非製造業は増益幅を拡大、通期では16.6%の増益が見込まれている。この結果、全産業では7.4%の増益になるという。

だが世界経済は、これから下降する公算が大きい。またコロナの‟第8波”も、冬を迎えて本格的に拡散する危険もある。そんな環境の悪化にもかかわらず、はたして増益幅を広げることは可能だろうか。加えて日経新聞の集計をよく見ると、下半期には通信業の利益が7.2倍にも増大。これが非製造業の利益を大きく押し上げる形になっている。その原因の一つは、ソフトバンクが前期の大赤字から回復するためだ。全体として、下半期の増益見通しは甘すぎると思う。

        ≪22日の日経平均は = 上げ +170.95円 ≫

今週のポイント

2022-11-21 07:39:01 | 株価
◇ いよいよ実体経済の悪化に直面 = ダウ平均は先週2ドルの値下がり。終り値は前週末と同じく3万3700ドル台を維持した。消費者物価の上昇率がやや鈍化したために、FRBによる12月の利上げは0.5%にとどまるという観測が拡大。長期金利も3.8%台にまで低下した。これらは株価にとってのプラス要因。ところが「世界不況は避けられない」という見方も拡大。株価は上にも下にも動けなくなった。

日経平均は先週364円の値下がり。終り値はまたまた2万8000円を割り込んだ。上半期の企業決算が予想以上によく、為替は円安に振れたが、株価は2万8000円のカベを破れなかった。ただアメリカの金融引き締めテンポが緩むという観測から、市場の空気は好転している。ところが中国経済の回復が遅れるなど、やはり世界経済の先行きに対する警戒感は根強い。さらに東京市場は、コロナ‟第8波”による規制の実施にも注意することになりそうだ。

IMF(国際通貨基金)などの国際機関は、23年の世界経済に関する見通しを次々と下方修正している。先週はバンク・オブ・アメリカが機関投資家を対象にした調査結果を発表した。それによると「1年以内に世界経済は後退するか」との質問に、可能性が「高い」から「低い」を差し引いた数値は77%に達した。この実体経済の悪化が、これから株式市場には重くのしかかってくる。

今週は25日に、10月の企業向けサービス価格、11月の東京都区部・消費者物価。アメリカでは23日に、11月の新築住宅販売戸数が発表される。

        ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (139)

2022-11-19 07:26:41 | なし
◇ 北海道と長野県の感染者が過去最多に = 世界の感染者は累計6億4024万人、この1週間で267万人増加した。この増加数は前週より33万人多い。死亡者は662万3426人で、週間1万0305人の増加だった。この増加数は前週より52人多い。感染者も死亡者もやや増加しているが、全体としては変化がない。相変わらず高水準での横ばいが続いている。国別にみても急増したところは見当たらないが、そうしたなかで日本だけが‟第8波”に襲われている。

国別の死亡者数をみると、アメリカは累計107万5951人。この1週間で2017人増加した。次いでブラジルが68万人台、インドが53万人台、ロシアが38万人台、メキシコが33万人台。さらにイギリスが21万人台、イタリアが17万人台、インドネシア・フランス・ドイツが15万人台となっている。ブラジル、ロシア、イタリア、インドネシアで増加数がわずかに拡大した。

日本の感染者は累計2355万4478人、この1週間で56万3585人増加した。前週より10万9688人多い。増加数は9月中旬以来の多さだった。死亡者は4万8088人で、週間639人の増加。この増加数は前週より129人多い。3週連続で増加数が拡大している。1日の増加数が10万人を超え始めており、専門家は「‟第8波”に入った」と判定している。

感染者は全国的に増加しているが、特に北海道と長野県の感染者数が過去最多になった。つまり、この2道県ではもう‟第7波”のピークを超えたわけである。これまでは東京や大阪などの大都市でまず感染爆発が起きたが、今回はちょっと様子が違う。その原因は、どこにあるのか。原因が判ると、感染についての新たな経路が発見できるかもしれない。厚労省は究明しているのだろうか。

        ≪18日の日経平均 = 下げ -30.80円≫

        【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】     

3%成長も 危うい? / 中国

2022-11-18 07:40:18 | 中国
◇ 習近平主席の潔癖症なのか? = 中国経済が沈み続けている。国家統計局が発表した10月の主要経済指標をみると、まず小売り売上高が前年比で0.5%減少したことに驚く。ゼロ・コロナ政策による行動規制で飲食店などの売り上げが落ち込んだが、それにしてもマイナスになるとは意外だった。鉱工業生産も前年比5.0%増で、9月の6.3%増から縮小。不動産投資額は1-10月で前年比8.8%の減少となっている。

中国の実質成長率は、コロナの影響でことし1-9月期は3.0%にまで低下した。このまま行けば、ことし通年の成長率は3.3%前後になるという見方が強い。だが11月に入っても消費は回復していないので、3%ぎりぎりになるという予測も出始めた。習政権が目標に掲げた5.5%成長は達成できない公算がきわめて大きい。にもかかわらず北京政府は、ゼロ・コロナと不動産規制の手を緩めようとはしない。

感染者が1人でも出ると、周辺地域を完全に封鎖するゼロ・コロナ政策。それにバブルの消滅を目指した不動産産業に対する規制。この2つの政策が、中国の成長率を引き下げていることは明かだ。その裏には、習近平氏の‟徹底主義、潔癖主義”が見え隠れする。それが習近平氏の性格なのか、それとも政治的な戦略なのかは判然としない。

だが結果として中国の成長率が低下すると、世界経済に大きな影響を及ぼす。たとえば中国の需要が伸び悩むという予想から、すでに鉄鉱石・原油・LNG(液化天然ガス)などの国際市況は下落している。各国の中国向け輸出も増えず、世界的な不況に拍車がかかる。もちろん日本経済への悪影響も例外ではない。

        ≪17日の日経平均 = 下げ -97.73円≫

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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