魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

聖地への旅

2007年09月20日 | 美味しいもの
ラーメンが好きだ。

しかも九州っ子の私はやはり「トンコツ」でなければならない!
長崎で「醤油」とか「家系」とか最近オープンした有名店の「つけ麺」とか・・・
いくら美味しくても「ちょっとそいは違うやろー」と思う。(別に嫌いなわけでは
ありませんよ、好みです)

最近はテクニカル的にも味わいも複雑を極めたラーメンがブームになっていますが、
私は純粋なトンコツラーメンが基本的に好き。

あちこち食べるうちに、やはりここは押さえておかないといけないお店、といえば
トンコツラーメンの聖地?のお店でしょう。

「いつかは行かねばなりますまい!」

今回は意を決して旅に出ましたよ。

着いたのは天神のバスセンター、ソラリアプラザに降り立ちました。
ビルの谷間から見上げる空は、くっきりと青が輝く真夏の色。
9月の下旬に差し掛かるというのに・・・暑い!!!
この日の最高気温は35度!オイオイオイ!

その中を、ビルの谷間を、長浜目指して歩き始めました。
(もう、九州っ子でラーメン好きの方はどのお店かお分かりでしょう)

何?地下鉄かバスやろう?

あのね、どうしてトンコツ聖地のラーメンが400円かを考えてみて下さいよ。
「バス使こうて、往復したら400円の価値なかやろ~!」
と、心の中で思うわけです。地図を調べても歩いていける距離のようです。

しかし・・・・・、この炎天下ではちょっときつかった。
途中、いくつものレストランやラーメン屋、天ぷらやら寿司やら、洋食屋
やら・・・ランチタイムのメニューの誘惑がありましたが、それらを
振り切って2㎞近い道のりを歩きました。

そうしてたどり着いたのがここ。



元祖長浜屋ラーメンです。

12時少し前だというのに、お客さんが多い、多い。
入ってどこに座ろうか?と見回していたら、いきなり、普通で良いですか?
と聞かれました。「はい」と答えました。
このお店のメニューは「ラーメン400円」「替え玉50円」「替え肉50円」の
3つしかないのです。
常連の方は入るなり「硬め」とか「生硬」とか発していました。
いやいや・・・この炎天下で歩いてきて、やはり水が美味い。水、水・・・。

で、間もなく来たラーメンがこちらです。



シンプル・イズ・ベストとはこんなもんでしょう。

多くの労働者の方が、黙々と食べています。ひたすら黙々です。
ここではそれが流儀。誰ひとりレンゲすら使っていません。

空気は読めます。しかし・・・、意を決して聞きました。

「レンゲはないのですか?」

そう、私はラーメンといえば、スープが一番大切でとても好きなのです。
そのスープを慈しむように、かみしめて飲みたいのです。

返ってきた答えは「子供さんだけにしか出してません」

ガーーーン

私はこの世界ではまだまだお子様だった!ということを自覚させられました。


味は純粋なトンコツで、その旨味がきれいに出ています。スープの上の方は
油っぽくてコクもあります。しかし、まろやかで流行のラーメンのようには
主張はしません。あくまでもまろやかで塩加減も優しい。濃さやコクも押し
つけてきません。トンコツの甘みと旨味、塩加減が突出することなく、見事に
まとまっています。

麺は予想よりも太く感じられ、肉はバラ肉を入れただけで、これが自慢の
チャーシュー!なんて主張は微塵もありません。

それをひたすら黙々と食べます。皆さん替え玉する方も多く、私はとても付いて
行けませんでした。結構な量になりますよ。

おい、いつまでラーメン食べよるとや?
ワインの試飲会やろうが!


さて、食べ終えた後、また歩いて2㎞弱の道のりを戻ります。

そうなのです。この日の炎天下、ヘトヘトになった体に、大いなるパワフルな
ワイン達が襲ってくることとなるのです。


コメント (10)
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