魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

レクイエムのワイン

2012年01月06日 | 音楽
今日(もう昨日か)は新聞を読んでいたら我が恩師、K先生の訃報が載って
いました。お正月早々ちょっとショックでした。


そこへ郵便屋さんが手紙やら年賀状やら配達に来ました。
配達物はしばらく放っておいて・・・


新聞にたいがい目を通してから、K先生のことを思っておりました。



そして何気に届いた年賀状を見ると・・・・・!

そのK先生からだったのです。


もう体も自由にならず、これをもって最後の年賀状にしたいとの旨。あとは
今までお付き合いいただいた方への感謝の言葉。
「明るく生きていきたいと思っております」なんて言葉も。
年賀状が最期の言葉でした。


今ここで訃報なんて!
またうちにいらっしゃるのを楽しみに待っていたのに。


K先生は私が子供のころ習っていた音楽(エレクトーン)の先生です。
きっと多くの生徒さんが見送ることでしょう。中には長崎でも(全国レベルで)
とても有名な作曲家さんもいらっしゃいます。その育ての親ですし、私も
その方と同時期に習っておりました。(私は間違いなく屈指に出来の悪い
生徒だったことでしょう)


先ほど通夜に出かけ、お焼香をしてまいりました。

ちょっとまだ引きずっています。





さて、今夜はレクイエムのワイン。





2009 シデュリ ピノ・ノワール ウィラメット・ヴァレー
   (USA、オレゴン州、ピノ種、赤、3千円程度)

若々しいイチゴやチェリーの赤系ピチピチの香り。赤いレンガや甘酸っぱい
柑橘なども。とてもスタイリッシュに引き締まった香りです。

味わいは酸がしゃきっとした背筋の張りを思わせ、凛として、優しく、
チャーミングです。まさに若かりし日の初々しい、ピチピチとして美しい
そんなイメージです。

この若さは、かつてのK先生に習った頃を思い出させます。

恥をかいても、それすら可愛い子供の頃。
出来が悪く、やってもやっても・・・ホントはサボってばかりの不肖な生徒。
でも、私の音楽性の基礎を築いていただいたのはK先生たればこそです。
これからも私は曲を書きます。

そんな感謝の気持ちを浮かべながら飲むのは、やはりピノでなければなりません。
ありがとうございます。お世話になりました。


K先生に習った曲を指でたどりながら・・・
安らかな眠りを祈りながら・・・
レクイエムとします。

コメント
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