魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

新しいものと古いもの

2014年11月21日 | ワイン ~2019年
とある用事で長崎市公会堂へ。




もうすぐ取り壊しになる。思い出はいくつもあれどしょうがないか。

ここは音響が悪いとプロの演奏家から噂を聞く。いわゆるノートリアス・フォーだね。

それならば保存しても価値があるのかどうかが疑わしい。


スクラップ・アンド・ビルドがすべて正しいわけでもないけれど、私は心の中で
「さよなら」を言った。


子供の頃、初めて音楽教室の発表会があって舞台に立った。

エレクトーンを習って、下手なりに初めてのコンクールを経験した。


少し大きくなって、小学校の音楽会や中学、高校と吹奏楽部のラッパーとして
(トランペットのこと)こちらも下手なりに何度も何度も舞台を踏んだ。
青春のステージだったかも。


もちろん憧れの演奏家の舞台もたくさん見てきた。
小学生の時「ナベサダ」を見た。日フィルのコンサートやインド大魔術団のマジックだって見た。
子供の目に美女の動体切断や空中浮遊術には言葉を失うくらい驚いた。他にもいくつも。


ゾウやトラのついた緞帳は決して忘れない。今度写真を撮っておきたいくらい。

子供だったら必ずやった階段の石の手すりのすべり台。
もちろん今でもやりたい。

でもさようなら。





老朽化して消えゆくものもあるだろうけれど、新しいものも誕生する。


ボジョレー・ヌーヴォーの新酒。

昨晩はいろいろと飲んでみたけれど、ごく普通のヌーヴォーもお試ししてみたい。




2014 ボジョレー・ヌーヴォー(ロベール・サルー、ネゴシアン)

これはドン・キホーテで買ってきたよ。

500mlで540円(税込み)。つまり“1mlが1円”。

香りはチェリーやイチゴなど赤系ベリー主体それにバナナ。
さすがに土や革や肉、ダシなどほとんど香ってはこないよ。
あとはセルロイドくらいかな。


味わいはピチピチとした若いフルーツ、太陽を思わせる明るさ。
これはこれで安酒として楽しく飲めはします。

しかし昨日飲んだヌーヴォーとはこれまた一線を画す味わい。
まあ、いわゆる軽やかで安っぽい。

でもこれはこれでアリで、普段、平和に飲むには物足りないけれど、飲めてしまう。
(文句までは出ない)
ただし、もう一度飲みたい、という喜びまではいかない。
「ワインの喜びを知って、ワインが好きになる」までは到達しないよね。


安いボジョレーと上等な高いボジョレーと、どう違うかと問われれば、こう答えます。

「またワインを飲みたい、という喜びがあるかないかの違い」です。

もちろんそれは普通のワインにも当てはまります。


そしてそれは新しいものでも古いものでも。

コメント (2)
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