タピアン
(季節の花300)より
むかしはさあ 鷹の目で見ると
野鼠が君たちのように見えたらしい
タピアンよ 隠れたつもりだろうが頭が出てる
なんとか紛れようと必死なのにね
秩序って やはり大事なものなのかね
君たちに家で遊びなさいと言った者は
外へ出た君たちを上空から見ているよ
統率者の目はごまかせないよとほくそ笑みながら
&nbs . . . 本文を読む
セイヨウルリトラノオ
〈ウェブ画像〉より
なんて綺麗なんだ
瑠璃色の虎の尾よ
はるかな時を超えて
ルソーの絵から抜け出してきたのか
奇才の森は濃いグリーンだが
淡いみどりの野にもケモノの気配
チラチラと虎の尾が見え隠れする
異様に涼しい梅雨明けの原っぱ
隠れろ隠れろ
子供たちに見つかるな
いたずらっ子に見つかれば
猫の尾 . . . 本文を読む
ジャノメギク
〈ウェブ画像〉より
赤線廃止に興味を持って
ぼくはその街に足を運んだ
手入れの行き届かない舗装道路の裂け目を
濃緑の雑草がさらに押し広げていた
昼間だというのに
格子戸の奥には闇が澱んでいた
人の姿が途絶えて二年と聞いたが
框に立てかけられた蛇の目傘が人待ちしていた
女たちの華やかな時間がよみがえる
チクタクと . . . 本文を読む
〇 茂木〈もてぎ〉さん幹事長に いよいよ「もて期」かな〈地味だけど英国との外交で成果挙げたし〉
〇 岸田さん ゆっくり長老離れし 天も味方〈コロナ下火がすべて・スガさんの運のなさと好対照〉
〇 枝野さん大敗 それでも一定の成果〈野党共闘〉と言い訳し〈要は立憲民主の覚悟を見せなくちゃ〉
〇 テレビ局の 開票予測みなハズレ〈国民の意識の流れを見誤る〉
〇 国民のバランス感覚 秀逸 やはり野合は . . . 本文を読む
ベニサンゴバナ
〈ウェブ画像〉より
どうも日本国籍じゃないらしいな
紅珊瑚花と名付けたのはどんな根拠かな
本名はパキスタキス・ルテアというそうだが
名前に関係なく中南米出身で間違いないんだろう
メキシコ・ペルー・ギアナが出身地だって?
あのギアナ高地のギアナにも分布してるのかい
シャーロック・ホームズの作者も見たはずの
恐竜が生き延びていた土地 . . . 本文を読む
シマエナガ(ウェブ画像)より
可愛いね シマエナガ
きみに似たお菓子も可愛いけど
やはり きみには及ばない
きみは鳥だよね
いつ そこへ飛んで来たの
どこが きみのお家なの?
お父さんや お母さんは
いま どこにいるの
きみは どうしてそんなに白いの
うん みんなが雪の妖精っていうけど . . . 本文を読む
ムササビ
(高尾山ムササビ観察会画像)より
いよいよ始まったぞ
ピョンチャンオリンピック
今夜は人間どもがスキーを履いて
ジャンプ大会をやるらしい
父さんの話では20年も前のこと
日の丸飛行隊の4名が
長野オリンピックの団体戦で
金メダルを取ったことがあるんだって
俺たちのホームグランド高尾山でも
今夜は特 . . . 本文を読む
あそびだあそびだ人生は
かっこうつけずにズバズバ遊び
悔いはないよと大いばり
スーさんまた来ていい子でね
はいよはいよとホステスに
手をふりふられるエリート部長
高級シャンパンぽんぽん開けて
かくれが気取りのクラブを出れば
足元ひやひやヒアシンス
花壇に春の花が咲く
公園通りをふーらふら
すこし酔い醒め昂ぶりも冷め
  . . . 本文を読む
ポツリと開花した利休梅の
気品に満ちた枝先をみつめていると
厳しさに耐えた者の迸る気合を感じる
しろしろとした蕾の数々が息を詰めて見守っている
「利心、休せよ」・・・・増長慢があったため
秀吉に切腹を命じられたと伝えられるが
大徳寺の楼門二階に自身の木像を置くということが
利休の企みとしてあったのだろうか
開花した利休梅の周囲には無数のつ . . . 本文を読む
ぼくが焚き火をはじめると
森のどこかでカラスがカアカアと鳴く
ああ また小言幸兵衛がご注進か
ぼくは意地になって
集めた落ち葉を焚き火につぎ足すのだ
レンガで囲った焼却炉では
赤あかと燃える灰が積み重なり
ほうり込んだサツマイモや馬鈴薯を包み込む
遠赤外線がじわじわと芋たちの中心を温め
小一時間で理想の焼き上がりになるのだ
やっぱり紅あずまが一番 . . . 本文を読む
夏になるとぼくは崖の上の畑を思い出す
せまくて急な傾斜の道に足をしならせ
何列もの畝に沿ってはぐら瓜を収穫した
瓜は支柱の竹からずり落ちて
みどり児のように敷きわらの上で遊ぶ
緑の光が創る回廊の塑像たちとともに
はぐら瓜 はぐら瓜
背負い籠のなかで束の間の眠りをむさぼれ
母がささやく絶妙の手順を思い描きながら
はぐら瓜の両端を切り . . . 本文を読む
〇 100マイルの球を投げて600フィートの打球を飛ばす(こんな人間は他にいない=打たれたバーンズの大谷評)
〇 グリーン・モンスター越え11号 ぺスキーポール際12号の驚異弾(アメリカ野球の伝説塗り替え)
〇 立て続けに 単独首位の13号(アナウンサー絶叫・この男にできないことなどあるのだろうか)
〇 ネタニヤフ いや起きてるよガザ見てる(イスラエル軍のパレスチナ侵攻も?)
〇 トランプ . . . 本文を読む
こんな山奥まで
アメリカオニアザミに占領されてしまった
などと
今さら驚くのも
おかしいが
実際
寒冷地の庭先まで
アメリカオニアザミは出張っているのだ
もちろん
タンポポだって
セイヨウタンポポが
りんりんと輝いていて
それでも
日本の太陽は
分け隔てなく
光をそそいでいる
たしかに
戦争に負けたのは
事実だが
いつまでも恨み . . . 本文を読む
梅雨が近づくと わたしの心は乱れる
あれもしたい これもやりたい
胸の奥から伸びてくる 紫色の欲望が
空を掴んで 悶えているようだ
見てごらんよ あのアガパンサスを
通りすがりの女たちが わたしを指差す
もの欲しげに 色目を使っているんじゃないの
湿った笑いが 梅雨前線を連れてくる
なにを言われても わたしは平気
心のままに 欲望のままに
好きな . . . 本文を読む