どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

細身のジャック(6)

2010-09-03 02:31:13 | 連載小説
 正夫が週に一度の休日を自宅アパートで過ごしていると、深夜二時ごろドアをノックする音がした。 「だれ?」  久しぶりに夕子が訪れたのかと思い、パジャマのまま起き上がった。  こんな時刻に正夫が居ると知っているのは、夕子ぐらいものとの先入観があった。  どこをほっつき歩いていたのか、いよいよ行き場を失ってここへ舞い戻ってきたのだろうと、同胞を許すような気分で内鍵を回した。  ドアノブを掴 . . . 本文を読む
コメント (4)