水仙
(城跡ほっつき歩記)より
初めての恋は ひと夏のめまい
半島の先端に 松明を掲げ
テントの不眠が夜更けに及ぶとき
流木を組んだ焚き火が 闇を焦がす
ラジカセから流れる ジェンカのリズム
キャンプファイアを囲んで 触れあう腕と腕
住所を教えてくれませんか
上ずる言葉に 少女の頬が染まる
岬の海には 漁火の瞬き
巻貝が奏でる あえかな調べ
はためく潮風は 追憶を揺さぶり
季節はめぐる 幾とせの日めくり
石蕗 いそぎく咲く 爪木崎の秋
砂地に刺さる 貝殻のかけら
春を待ちわびる 野水仙の地下系譜
輪舞の記憶を 群落の下に敷く
恋の火葬を 何度も繰り返したが
手紙は いつも封のまま
ナルシスの誹りは 西洋花ことば
和名を問えば その名もゆかし雪月花
また、このたびはコメントまでいただき感謝申し上げます。
aqua様のように頻繁な更新はできませんが、今後ともよろしくお願いいたします。
読者登録をしていただき
ありがとうございます
ポエムと素敵なお写真
ゆっくりと拝読拝見させていただきますね
これからもよろしくお願いいたします
いつも登場する鉢形城を、先日テレビで拝見しました。
近くに何やら飲食店があり、そこのご主人にインタビューする場面でした。
ご覧になっていたかどうか、ともあれ近しい感じを抱いた次第です。
さて、詩作品の時代背景を1960年代後半とご指摘いただきましたが、まさにドンピシャで恐れ入りました。
ラジカセとかジェンカとか手紙とか、そろそろ死語の領域に近づいているのかもしれません。
コメントありがとうございました。
いつも画像をご使用・ご紹介いただき御礼申しあげます。
たぶん鉢形城周辺を散策していたときに、撮影したものと記憶しております。
この時期の撮影機材はニコンD70のミニズーム18-85ミリを使用しておりました。
現在は、主機としてはソニーα350、18-250ミリを使用しておりますが、故障などもあって、そろそろ買換の時期を迎えているようです。
今回のポエムの時代背景は、1960年代後半頃の香りがいたしましたが、如何でございましょうか。