どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

自薦ポエム110 『ムスカリは風に乗って』

2021-12-11 00:05:00 | ポエム

ムスカリの花画像 に対する画像結果.サイズ: 176 x 170。ソース: www.hyponex.co.jp ムスカリ

 (ウェブ画像)より

 

ブルーの水晶を散りばめたような姿は

やはり外国からのお客様でしょう

はるばる渡航して来ていかがですか

日本の気候風土はお肌に合いますか

 

そのことでしたらご心配はいりません

おそるおそる訪れたのは確かですけれど

いまでは野原に進出してのびのびやっています

わたしの顔色を見れば一目瞭然でしょう

 

ところでお客様はどこの国からお出ででしたっけ

なんでも高い山脈が気候を分ける南側の地でしたよね

たしかコーカサスの風に乗って来たとか聞きました

乾いた空気に包まれて気持ちよかったでしょうね

 

わたしの故郷はコーカサス山脈の麓にあって

ジョージアとアゼルバイジャンとアルメニアにまたがる地域

ロシア連邦から独立する以前から花行脚を続けています

黒海からカスピ海まで横に伸びる風土に磨かれてきました

 

さまざまな人種と言語・宗教の混交は世界で最も複雑

エキゾチックな顔立ちの美人も作り出しました

数知れない侵略に晒された歴史を体内にとどめて

コーカサスの顔立ちは厳しさの中に優しさを秘めています

 

かくいうわたしの名はムスカリです どうぞ覚えてくださいね

山脈をおおう空にも地の果ての二つの海にも

わたしを育てた思想が横たわっています

ムスカリムスカリムスカリむずかしい呪文じゃありません

 

ブルーの心とブルーの瞳をたずさえて

コーカサスの魅力を世界中に広めなさい、と

日の出ずる国には研ぎ澄まされた青が似合うから

ムスカリはコーカサスの風に乗ってこの地を訪れtました

 

ムスカリはコーカサスの風に乗って

ムスカリはコーカサスの風を連れて

  

(2018/06/03より再掲)

 

 

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