筏葛(ブーゲンビリア)
(季節の花300)より
初夏の光は 希望の使者
ほら 筏に乗ってあなたのもとへ
意味ありげな秋波が送られる
ああ あか紫の誘惑よ
イカダカズラのいたずら心だろうか
18世紀にリオデジャネイロで発見された
南米ブラジル原産の情熱的なつる性常緑低木よ
紫 赤 黄 橙 白などの花を携えて
ようこそ日本に来てくださいました
学名のブーゲンビリアまで心をざわつかせます
これを秋波と受け取ってはいけませんか
おとなをからかう少女のような筏葛よ
あなたの誘いは花と見まごう苞のせいですね
いまやっと気づきました
イカダカズラはやっぱりいたずら葛なんだと
若葉を透けて地上に降りそそぐ初夏の光が
ほら 筏に乗ってあなたのもとへ
あか紫があなたの心にさざ波を起こしたとすれば
それは小悪魔のような少女のせいでしょう
葉が変形した包葉の秋波がそうさせるのです
こんにちは 筏に乗って届けられた希望の使者よ
秘密を帯びたあか紫は誰の心をも乱します
一度目にしたら瞳の中はチリチリと震えます
イカダカズラに縛られる恍惚を
あなたはもう拒絶するすべを持たないでしょう
(2019/05/28より一部修正して再掲)
南国の花のイメージですが
さすがに 情熱的な 素晴らしいポエムでした
美しいお花が 脳裏に浮かびます。
苞に包まれた花が二つであったり、一つであったり、まるでウインクしているように見えますよね。
この美しい花を思い浮かべていただけて、よかったです。