どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(2〉

2023-12-13 00:36:36 | 科学


     紫陽花

 郵便配達中の職員が犬に咬まれたというので、集配課は大騒ぎになっていた。
 広いフロアの窓に面した課長席を取り巻いて、三人の男たちが声高に話し合っている。真ん中で受話器に向かって頭を下げているのは、定年間近の課長である。断片的に聴こえるやり取りから察すると、総務課長の指示を仰いでいるらしかった。
 吉村はその日二度目の速達を配達して、ちょうど戻ったところだった。次の便まで若干の手空き時間があり、待機しながら深田久弥の『日本百名山』を読みつごうと心積もりしていた。
 速達を扱う部屋は書留郵便物も授受することから、一般の集配室とは区切られている。吉村は騒動のゆくえを横目に窺いながら、離れた通路を大股に通り過ぎようとした。
「吉村くん、ちょっと」
 課長席のあたりから春風のような声が流れてきた。
 あらためて見直すと、ズボンの上から藍染の短い前掛けをつけた芹沢が呼びかけている。「・・・・わるいんだけど、浜町まで課長を乗っけていってくれない?」
 耳から入って、こめかみの奥に味覚を伝えるような甘いひびきだった。
 吉村から芹沢までは、まだ十メートルほど離れている。小柄なせいか五十歳そこそこに見えるが、定年まであと五年を残すのみと聞いたことがある。
 黒々とした髪を七三に分け、いつも床屋に行ったばかりのように生え際を刈り上げていた。
 ボサボサ頭や、よれよれのシャツ、汗のにじんだズボン姿の男たちが多いなかで、芹沢の清潔な印象はひときわ目立っていた。
「どうかしたんですか」
 吉村は課長席まで数歩のところまで近付きながら、誰にともなく問いかけた。芹沢のいう浜町の事件現場が何処かはおおよそ見当がついたが、できれば巻き込まれたくなかった。だから、直接応える角度ではなく、視線を振り分けて立場をあいまいにしたのだった。
「はい、はい、わかりました」
 課長はひたすら受話器に頭を下げている。「・・・・それでは恐縮ですが、よろしくお願いいたします」
 最後に深々とお辞儀をして、顔をあげた。
 周囲のもの問いたげな視線に気付いて、「ああ、そうそう、総務課から局用車を出してくれるそうだ」
 (おや?)
 吉村は芹沢を見た。少しなりゆきが違うようなのである。
 芹沢は吉村の視線を気に留めるでもなく、穏やかな表情を変えずに課長を正面から見やった。
「課長、わざわざ総務課なんぞに頼んでどうするつもりですか。彼らが出てくると何でも大ごとになりますよ。規則に照らして、調書だ始末書だと、面倒な書類が増えるだけじゃないですか」
 芹沢の指摘を受けて、一瞬課長の瞳が揺れた。
 たしかに後のめんどうは想像がつく。できれば避けたいと思うのは人情だ。しかし、手順を踏まずにことを進め、後で責任をとらされるのはもっと恐ろしいのだ。
「吉村くんは免許証を持っていますから、小包用の軽四輪を借りて、ちょっと乗せてもらったらいかがですか?」
 芹沢の口調はあくまでも柔らかかった。
 だが、弱々しかった課長の目に、さきほどとは違った光が宿っていた。
「まあ、すでに判断は下ったし、担務の異なる吉村くんをこんなことに使うわけにはいかないよ」
 こころもち語気を強めて結論を出した。
 一瞬だけでも動揺した自分を見られたことを、課長は不快に感じているのかもしれなかった。
「そうですか」
 芹沢はあっさりと引き下がった。口辺に笑いがひろがっている。ほんの少し肩を落としたように見えたのは、彼の癖かもしれなかった。
「吉村くん、行こうや」
 目をしばたいて、芹沢が同調をもとめた。親密さを強調するように、吉村の腰のあたりを軽く叩いた。
 その時、芹沢の身体からふわっと甘い匂いが流れた。風呂あがりの石鹸の香料とオーディコロンの入り混じったような男っぽい香りだった。
 吉村は彼の肩ぐらいまでしか背丈のない芹沢と並んで、その場を離れた。背中に視線を感じたが、あまりこだわらない性質の彼はすぐに忘れた。帰ってきた途端に足止めを食ったため、予定した休息時間を取れなかったのは残念だったが、早く戻りたかった速達の部屋に入ってホッと一息ついた。
「ぼくも昔は山が好きでね・・・・」
 吉村が区分台の引出しから本を取り出した瞬間、別の速達区を担当する芹沢が声をかけてきた。
 本のタイトルを見たのか、あるいは吉村の趣味から推理したのか、ずいぶん打ち解けた調子で話しかけてきた。「だけど、一度遭難しかけたことがあってね、それでやめたんだ」
「はあ」
「実は、ぼくには面倒を見なければならない母親がいてね。・・・・自分だけなら生きても死んでもいいんだが、そう親不孝もできないと気付いて考え直したんですよ」
「そうだったんですか」
 吉村は律儀に相槌をうった。
 なんだか霧の中で人影を見るような印象だったが、しばらく故郷に帰っていない彼には、胸に忍び入ってくるような話題であった。
 問われるまま熊本の話をした。やがて帰るかもしれない八代海の美しさを語った。
「海だから、山なんだね・・・・」
 芹沢が柔和な目で笑いかけた。
 とっさに回路がつながらなかった吉村だが、すぐに意味するところを理解した。
「そうなんですよ、海育ちなもんだから山に憧れるんスかね」
 ちょっと言葉がなまったような気がして、吉村は頭を掻いた。
 彼がリーダーを務める山の会のメンバーに青森県出身の後輩がいて、その男の強烈な方言に影響されて、アクセントまでめちゃくちゃになっていた。
「洋三さん、あなたドコ人?」
 久美にからかわれたことがある。
 何処人という言い方もないものだと、吉村はその時のことを思い出してニヤついた。照れを誤魔化すために、もう一度頭を掻いた。
 いつの間にか話題は百名山に移っていた。
 吉村は現在四十六座を踏破していて、そのつど山行の記録を残してきた。写真を撮り、ノートにメモを書き付ける程度の簡単なものだったが、久美とのデートが頻繁になってからは、山へ向かうペースが間遠になり、そのかわり記録の方は手の込んだものになった。
 紀行文まがいの小文に写真を配し、一座で一冊のアルバムに仕立てている。文章は手書きのものをコピーし、写真も焼き増しして、限定十二部の自費出版である。
 アルバムを見た者はたいがい欲しがるが、吉村は残部がないのでとほとんど断っている。なぜ限定十二部なのかと訊かれたときは、「一ダースで切りがいいから」と笑って答えることにしていた。
「吉村くん、実はぼくも文集を出しているんですよ」
 芹沢が得意そうに胸を反らした。
 区分台に後ろ手を突き、背の高い専用の回転椅子に乗っているものだから、危うくバランスを崩しそうになって「おっとっと」と声をあげた。
「・・・・ぼくのは、鎌倉の寺めぐりでね、一年を花でたどるという企画なの。どう、わるくないでしょう?」
 すでに昨年のものは完成していて、瑞泉寺の枝垂梅や東慶寺の白木蓮に始まり、安国論寺の山茶花に至る花々が、やはり写真と文章で綴られているという。
「いま、ひとに貸していて、二週間ほどしたら返してよこすので、次はキミに見せてあげるよ。・・・・それに、今年もう一度同じ鎌倉をやるけど、よかったら来てみない?」
「はあ」と答えたが、はっきりと断っておいた方が良さそうなので、「・・・・でも、ぼくも山がありますから、ちょっと無理みたいっスよ」と言い直した。
 明月院の紫陽花を完璧に撮りたいと芹沢は言った。人の居ない早朝、雨に濡れた風情を写し取りたいのだが、前年は空梅雨でシャッターチャンスに恵まれなかったらしい。
「あじさいは、ぼくの好きな花のひとつでね」
 剃りあとのうっすらと青い顎の両端に、含み笑いがひろがっていた。

 次の便の準備を始める時刻となって、話は中断した。郵便課から区ごとに分けられた速達郵便物を運んできて、配達順に組み上げる。続いて書留郵便物の交付を受け、授受確認の押印を済ませてこらも道順組み立てをする。
 速達担務など比較的楽なところは、欠務者の代役でしか回ってこない吉村と違って、専門に配置されている芹沢は慣れている。手早く準備を整えると、ヘルメットを掴んでさっさと出て行った。
 吉村は配達区へ行く道順を変えて癖犬のいる家の前を通ってみたが、予想した場所には誰もいなかった。
 時間的にみて、もう処理が済んだのか、あるいは病院にでも回っているのか。先に出て行った課長の姿を見つけられなかったことが、こころ残りだった。
『年年歳歳花相似たり。歳歳年年人同じからず・・・・』
 配達の間中、吉村の脳裏をその字句が往き来した。もう一度、鎌倉をやるといった芹沢のことばからの連想だったろう。
(同じ季節、同じ場所に、同じ花を見に行く。花もまた、似てはいても同じではあるまいに・・・・)
 天邪鬼な考えが去来して、芹沢を素直に受け入れていない自分に気付かされた。何故と明確な理由を挙げることはできないが、先刻のクルマの一件が魚の小骨のようにひっかかっているのは確かだった。
 もともと芹沢とは、あまり付き合いがなかった。だから、馴染むには多少の時間が必要なのだろう。いまは<花好き>の一点をもって評価すべき人間なのかもしれないと、自分の気持ちを均していた。
 配達を終えて戻ってみると、咬まれた後輩も課長も帰って来ていた。近くの病院で手当てを受けたということで、右手の掌全体に包帯を巻いている。
 坊主頭のその青年は、二センチほど覗いている指先で鼻の頭を掻きながら、「咬まれた傷より、注射のほうが痛かったですよ」と周囲を笑わせた。
 局員として採用される前に、一年間だけ英語教材のセールスをやっていたというだけあって、どこか人馴れしたところがあった。少林寺拳法を習っていると聞いたこともあるが、表に現れる生気ばかりが目立って、内に蓄えるものの気配がない。吉村は自分と何歳も違わない後輩に対して、老人のように観察をしていることに気付いて苦笑した。
 ともあれ、あのとき時間を割いて駆けつけなくてよかったと吉村はおもった。芹沢の言うとおりにしていたら、なんだか後悔していたような気がする。クルマをめぐってのやり取りが、まだ尾を曳いているのが感じられた。
 咬まれた後輩によって再現された事件の顛末は、職場中に笑いをもたらした。大型犬が相手かと期待していた仲間たちは、相手がマルチーズと知ってがっかりする一方、みな一様にホッとした表情をした。
 マルチーズはなぜ後輩局員の手を咬んだのか。手を出したからである。
 飼い主は、むかし妙齢だったはずの婦人で、料金不足の郵便物を渡そうと手を差し延べたとたんに、がぶりとやられたのである。
 婦人の説明によれば、犬はやきもちを焼いたのだという。郵便屋さんに対してにこやかに応対したのが失敗で、胸元に押さえ込みきれずに事件となった。婦人が自分以外の者と親しくするのを極端に嫌う犬の嫉妬らしかった。
「お前が胸元に手を出したから仕返しされたんだよ」
 大方の意見に従ったのか、咬まれた方にも落ち度があるとの課長裁定が出て、青年はしばらく浮かない顔をしていた。
 芹沢とは、その後も何度か言葉を交わしたが、担務も勤務時間帯も異なるので、あまり親しく話をしている暇はなかった。
 一度、課長に呼ばれて、芹沢とはあまり深く付き合わないように・・・・と申し渡された。課長の話では、芹沢は以前労働組合の支部長をやっていて、今でこそ猫をかぶっているが根は変わっていないから、君のように免疫のない若者への影響を心配しているのだと囁いた。
 吉村は、先日の差し出がましいやり方に腹を立てたのだなと思ったが、まあ無理もないやと課長に同調する気持ちが強かった。
 花は花だから、芹沢が鎌倉の写真集を持ってきたら見せてもらうつもりでいた。そんなことまで避ける必要はないし、すれ違ったときに横を向くこともない。しかし、課長の言葉が重石となって、みずから芹沢のところへ出向くという気にはなれなかった。
「吉村くん、わたしが注意したことは絶対に他言しないように」
 その時の課長の目つきが、ときどき甦った。

 六月半ばに、吉村は三人の仲間と早池峰山をめざした。
 東北の山も幾つか登っているが、わざわざ遠野側へむかう行程は時間的にも費用の面でも独立した計画が必要である。久美との結婚を視野に置いて準備を進めるいま、大掛かりな山行はこれで打ち止めになる可能性がつよかった。
 そうした状況で、とくに信仰の色濃いこの山を選んだのは、単に四十七座目というのではなく、清らかな山塊、清らかな草木、清らかな花々に触れて、身も心も浄めておきたいという願いがあった。
 無事に下山して職場に戻った朝、吉村は同僚から変な噂を聞いた。
「芹沢さんが捕まった」というものだった。
 一昨夜、遅番の速達勤務に就いていて、郵便物から現金を抜き取ったところを現行犯で押さえられたと、ストーリーが一致していた。
 中には「芹沢が・・・・」と呼び捨てにする者もいて、時間が経つにつれて確定的な要素が強くなっていった。
 広いフロアから、管理者たちの姿が消えていた。異変があったことは間違いなかった。やがて落ち着かない一日が終わり、それでも正確な情報を聞き出そうと粘っていた職員の一人が、とつぜん大声をあげた。
「おっ、やっぱり出てる。新聞に載ってるぞ!」
 誰かが駅売りの夕刊を買ってきたのだろう。
 課長席に配られるのは別の新聞社のものだし、時間的にもあと一時間ほど経たなければ配達されない。
 公務員としてストイックな生活を強いられていると、身近な事件が何よりの刺激であることはよくわかる。吉村も自分の心中を照らしてみて、そうした部分が少なくないとも思う。ただ彼の場合、ひとに言えないほどの衝撃を受けていた。その点だけが、他の野次馬と違っていた。
 事件の大筋が見えてくると、吉村の緊張はさらに増した。
 芹沢はたまたま出来心で抜き取ったところを捕まったのではなく、数ヶ月間マークされていたのである。かなり以前から郵便物の不着申告があり、それも現金封入の速達便が多かったため、勤務指定表との照合で芹沢が割り出されていたらしい。
 あとはいかに現行犯で押さえるか。芹沢を人気の少ない遅番に入れ、その時間帯に配達する速達をあらかじめ発送しておく。
 あて先は正真正銘の地区住民。密約の詳細は知るよしもないが、現金入りと察知する勘の良さが、この場合は命取りとなった。まんまと引っかかった芹沢は、もうドキドキすることもなく郵便物を隠してトイレに行く。
 後から分かったことだが、物陰から監視していた複数の現認者の証言では、芹沢は藍染の前掛けの下に封筒をすっと差し込み、平然と犯行に及んだという。
「そうだったのか・・・・」
 おもえば犬騒動のときから、芹沢に対する課長の応対には含むものがあった。芹沢との交友を暗に禁じようとした計らいにも、吉村を渦中に巻き込みたくない課長の苦心が察せられた。
 芹沢はトイレの中で開封し、現金を抜き取った。
 紙幣は財布に、封筒はハサミで細かく裁断して水洗トイレで流す予定だった。だが、作業の途中で踏み込まれた。
 封筒もハサミも証拠物件として押さえられたが、仕掛けた者たちが絶対の自信を持っていたのは、紙幣そのものだった。特殊なインキで細工がしてあり、仮に封筒類が隠滅されてしまっても、紙幣さえ持っていれば言い逃れできない状況が作られていたのである。
 捕らえられて、芹沢は愕然としたことだろう。余罪もすらすらと自供したらしい。同じ郵便局の片隅に常駐する監察官の手によって調べが進められ、すべての状況が明らかにされていく。
 とりあえず現行犯の一件だけがマスコミに流され、世間を驚かせる。
 周到な犯罪摘発のシナリオに沿って役割を果たした上層部も、管理監督責任を問われてなにがしかの処分を受けることになる。長い間、速達という同じ担務に就けていたことが元凶だ、と。
(芹沢さんは、ほんとうに花が好きだったのだろうか)
 そういえば、まもなく紫陽花が最も美しさを見せる時季をむかえる。
 六月中旬から下旬にかけての鎌倉は、明月院にかぎらず紫陽花を求めて人びとが集まってくる。あちらの寺こちらの社寺、路傍にも斜面にも、たくさんの紫陽花がひしめき合って日々その色を変化させていく。
 何百株、何千株と寄り添いながら、何故かたった一人の憂愁のように寂しいのだ。
 吉村は芹沢から鎌倉行きを誘われたとき、断った。だが、近いうちに休暇を取り、朝早く訪れてみようと思った。このところ、お天気もぐずつき気味で、お誂えむきの雨模様になりそうだ。
 芹沢の撮った写真も、彼の文章も目にすることはなかったが、立派なアルバムが友人の手元に残っているに違いないとおもった。

    
   (第二話〉

 

(2007/01/12より再掲〉

 

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6 コメント

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Unknown (yamasa)
2023-12-14 23:09:34
郵便屋さんが主人公というストーリーは珍しいですね。
犬にかまれたところから、会話が進んで行きますね。
明月院の紫陽花は自分も撮ったことがありますが、イイですね。。。(^∇^)
郵便局内での犯罪。。。大胆です。
返信する
明月院の紫陽花 (tadaox)
2023-12-14 23:34:41
(yamasa)さん、こんばんは。
目j月陰の紫陽花を撮ったことがあるんですか。
実は山をちょっと下りていくと明月院の入り口なので季節にはたくさんのお客さんが並んで待っている横を北鎌倉の駅まで行くことになります。
郵便局の中の出来事その他が一話ごとに登場しますので、その都度話が完結する連載です。
いつも丁寧にお読みいただきありがとぅございます。
返信する
郵便局という社会にも人の世が・・・ (知恵熱おやじ)
2023-12-16 04:31:06
普段その内部をあまり詳しく覗き見る機会のない”郵便局”ですが、当然そこも人間社会なんだなあー、と納得させられた一編でした。

私は高校生時代の3年間、毎年年末になると札幌の同じ郵便局で年賀状配達のアルバイトをやっていました。
大晦日の夕方局に集合して全員で気合を上げ、仕分けしてある年賀状を夜中から配達し始めるのです。集配鞄が空になると受け持ち地域の途中の拠点に預けておいた年賀状を補充してさらにその先へ、、、と朝方まで頑張るわけです。

全部済んで局に帰ると、大人の郵便局員さんたちと学校とも家とも全く異なる社会の何かお祭り騒ぎのような解放感に包まれるのです。いろんな人がいてそこは私にとって大人社会への一つの学校だったかもしれません。

窪庭さんのこの小説で郵便局というもう一つの社会を通じての人間のありよう、味わい、奥深さ、人の哀しさを味合わせていただいたように思います。
どんな人物が登場してくるのか、この先の展開をさらに楽しみにしています。
返信する
いい経験をしましたね (tadaox)
2023-12-16 14:43:10
(知恵熱おやじ)様、、ありがとうございます。
年賀状の配達アルバイトをしたことがあるんですか。
その時の様子を拝見しているうちに郵便局内の雰囲気がワーッと蘇ってきました。
たしかに大人社会の縮図みたいなところがあり、アルバイトの高校生が味わう興奮もあれば第二話のような悲しい場面もあるわけです。
一話ごとに完結する構成ですのでつぎにどんな人物が現れるか読み返してみて自分でも期待しています。

余談ながら現在新しいパソコンを立ち上げ中ですがIDやパスワードを忘れたりで悪戦苦闘中です。
コメントのお礼は旧パソコンで書いています。
こっちは文字飛びで思うように表現できません。
やれやれです。
返信する
新しい分身によろしく! (知恵熱おやじ)
2023-12-17 00:56:39
新しいパソコンが自分の本当の手足のようになるまで馴染むには、少し時間がかかりますねー。
処女地を探検でもするように楽しみながら、やっていってくださいませ。

生まれつきメカに弱い私は、これまで何台もの買い替えでそのたびに泣かされてきました。(パソコン自体が少しづつ進化してきており、その都度知らないことが増えてきた)

窪庭さんは私と違ってメカにも強そうなので大丈夫と存じますが!!!
返信する
古いパソコンに感謝 (tadaox)
2023-12-17 01:48:54
(知恵熱おやじ)様、ありがとうございます。
とびきりメカに弱いうえに物忘れが重なって四苦八苦しています。
あっちこっち電話を掛けながらそのうち何とかなるだろうと思っています。
古いパソコンに感謝です。
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