中国の武漢というところで、新型コロナウィルスによる肺炎が発生したと報じられたのは、今年の3月だったと記憶している。
中国の市場で売られていた動物を介して、またたく間に感染者が広がり、これらの進行状況を世界中が息をひそめて見守る事態になった。
何を今さらわかり切ったことを・・・・と、自分でもうんざりしながら起点を振り返るのは、小規模な集団感染が取りざたされてから現時点に至るまでに、たった9か月しか経っていないという事実に気づかされるからだ。
武漢市場の近くに、中国のウィルス研究所(レベル4)があったことから、そこから流出したのではないかと疑う者もいた。
実は1月には、武漢の医師が新型の肺炎ではないかと当局に報告していたことが判明し、それを二か月間も隠蔽していたのではないかと騒然となった。
戦々恐々とする中、新型コロナウィルスは世界中に伝播し、日本でも自国籍でもないのに豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」を寄港させたことから、その是非が取りざたされた。
WHO(世界保健機関)のテドロス氏がパンデミックを警告しながら、なかなか宣言しなかったことから、トランプ大統領が中国擁護ではないかと非難を繰り返し、拠出金を減額する圧力をかけた。
中国武漢の都市封鎖は、強烈な印象を残した。
その後、ヨーロッパからアメリカ、ブラジルなど、短期間に世界中に感染が広まり、パンデミックが宣言された。
サーズやマーズなど、他の感染症の時にはなんとかウィルス封じ込めに成功したのに、今回のコロナウィルスは失敗した。
ヨーロッパやアメリカ各都市でロックダウンをしたにもかかわらず新型コロナウィルスは、収束の気配が見えない。
待望のワクチンがファイザー社とモデルナ社から供給されることになり、12月から接種が始まったことで、わずかながら希望の光が見えた。
とはいえ、イギリスやアフリカナイジェリアで新型コロナウィルスの変異種が発見され、不安が高まっている。
日本でも第三波と呼ばれる陽性者の急増、重症者や死者の増加が毎日報道されている。
政府によるGotoトラベルの中断が発表され、さまざまな立場からの意見が噴出して、騒動が静まらないまま一年が終わろうとしている。
希望のワクチン入荷は2月ごろと言われているが、果たして医療関係者や基礎疾患のある高齢者への接種はいつ頃始まり、その後全国民に行きわたるのはいつになるのか。
ワクチンの効果は信じるものの、まだまだ不安定要素が山ほどある。
こうして新型コロナウィルスの巻き起こした現象を眺めてみると、デマやフェイクニュースと言われるものが、蔓延した一年でもあったと思わざるを得ない。
大国の大統領や首相が、医療関係者からの警告を無視して、「コロナは風邪みたいなもの」との発言を繰り返したことは、パンデミックを助長したと言わざるを得ない。
日本でも、都知事や医師会長などが口を酸っぱくして言っても、軽視する風潮が続いている。
未だに、コロナ陰謀説や類似する風説が、多くの人の意識にしみ込んでいて、それを払しょくするのは困難な状況だ。
ついでながら、「重症になったり死んだりするのは年寄りで、早晩死ぬのだから仕方がない」との潜在意識が若者の中にあるのだという。
まあ、わからないでもないが、そこには落とし穴があることも確かだ。
例えば、症状のあった患者の4割強に、味覚障害などの後遺症が残るという。
また、感染による直接的被害より、経済的な損失や社会的な機能不全による損失が大きすぎる。
「若者は安泰だ」とは、決して言えないのである。
暗い話で申し訳ないが、企業業績の悪化に伴い、コロナ解雇が増え、若者や壮年者の苦境は深刻になっている。
さらに、自殺者の増大も座視できない。新型コロナによる死者の8倍強との統計もあり、このニュースは世界を驚愕させた。
「コロナは風邪みたいなもの」などと、軽口をたたいている場合ではない。
ヨーロッパやアメリカの市民の一部は、マスクを拒否し、中には「コロナパーティー」と称して、わざわざウィルス感染者の中へ入っていくマッチョな精神構造の者もいたようだが、結果はどうなったか。
「ぼくはバカだった」と、泣いて告白しながら死んでいった男もいた。
来年は、どうなるのだろうか。
当分は一喜一憂の日々が続くだろう。
オリンピックという最大イベントを控えて、ワクチン普及との駆け比べである。その間、中小企業や個人商店は生き延びられるのだろうか。
そこで働く人々は、自分や家族の身を保っていけるのだろうか。
雇止め、賃金カット、実質賃金の目減り、中には会社の倒産による失業もあるだろう。
結局は、非正規労働者など社会的弱者と呼ばれる人々が犠牲になる。
大企業や中堅企業の社員だって、ボーナスの減少などで住宅ローンの支払いがきつくなったりする。
政府の支援を求めても、ここまで膨らんだ借金はそうそう増やせない。
われわれが恩恵を被れば、即次世代の若者や子供たちがその負担を背負うのである。
可哀想じゃないか。不憫じゃないか。
お父さんも、お母さんも、子供や孫の顔を見て「申し訳ない」と思うに違いない。
<おそれよ>
誰が言った言葉か思い出せない。
神の言葉かもしれないが、よくわからない。
だが、心にひびく。
恐れよ、かもしれないし、惧れよ、かもしれない。
要は、いま、そこにあることを「おそれよ」というのだろう。
事に対して謙虚になれ、これは経験則からもそう思う。
ゆめゆめ、コロナを軽んじないように。
国や自治体も明確な指針を出せないまま、コロナの様子をうかがっているといったところでしょうか。
こうなったら、一人一人が自分で考え、行動するしかないのでしょう。
息子さんは、お父さんのことも心配なんですね。
ご実家は環境がいいので、基本的な注意さえすれば団欒できそうですね。
>ゆめゆめ、コロナを軽んじないように。
まさしくその言葉どうりだと思います
このままの勢いで感染が拡大していったら
そう思うと怖くなります
ワクチンも
効果もさることながら・・・
人体への未知なるリスクも心配です。
北海道や大阪は、自粛の効果が現れ始めたのに、東京はいけませんね。
各盛り場の人出が、20~30パーセントも増えているそうで、このままだと手の施しようがなくなりそうです。
そうならないことを祈りつつ、年末年始はじっと籠っているつもりです。