「雲雀より空にやすらふ峠かな」
(ひばりより そらにやすろう とうげかな)
引用した解説によれば、<意味>は峠の風に吹かれていると、下の方から雲雀
の鳴く声が聞こえて来た。なんと雲雀より
高いところで休息しているのだなあ。
雲雀は雀よりやや大きく褐色の地味な色を
しているが、鳴き声が良く、高空をさえず
りながら飛ぶ。雲雀が鳴く高いところより
上で休息しているので、臍〈ほぞ〉峠からの眺望の
素晴らしさが暗示されている。
その眺望を目の前にした時の愉快な気持ちが「やすら
ふ」という言い方になっている。峠の頂上
まで歩いて来たという旅の心地よい達成感
や疲労感まで詠んだ句である。
〈注〉臍(ほぞ)峠=奈良県桜井市と吉野郡吉野町
との境にある峠。標高467m。上下とも急峻な坂である。
ぼくは若い時に桜井市や吉野町の史跡も含め多くの場所を訪ねて出歩いた経験がある。
臍峠こそ行ったことはないが、聖徳太子ゆかりの古道や楠正成・正行の遺構も訪れた。
生駒市に研修所があったので休日になると朝から飛び出して奈良県中心に経めぐった。
懐かしい思い出である。
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