キュウリの花
(城跡ほっつき歩記)より
なんと気持ちの良い生徒たちだろう
のびのびビュンビュン走り回る
夏休み前の校庭は幸せがいっぱい
しっかり気づかう保護者の思いが
どこまでも蔓のように伸びている
みんな教室に集まって!
明日から長~い夏休みに入ります
冷たいジュースの飲み過ぎや
寝冷えなどに気をつけて
二学期には元気な顔を見せてください
宿題のドリルや自由研究の印刷物が
プーンとインクの匂いを放つ
返してもらったテスト用紙には
誰も彼もハナマルがいっぱい
「お父さんやお母さんにちゃんと見せるのよ」
露地栽培のキュウリ畑を眺めながら
村の小学校にかよった昔を懐かしむ
担任の丸岡先生はもう居ないけれど
麦わら帽子をかぶった人影が
畝の間をゆっくり通り抜けて行く
ほらほら真っすぐに立ちなさい
胸を張って背中を曲げちゃダメよ
きみたちはみんな太陽の児なの
緑の葉っぱが重なる日陰で手をつなぎ
さわさわニョキニョキ育つのよ
太陽の下のキュウリの学校
炎天にもめげず巡回すると
鼻たれ小僧やこまっしゃくれたちが
ケラケラふふふふと笑いあう
むき出しの肌がこすれ合う昼下がり
真夏には猛暑や豪雨が襲ってくるが
日本の夏はこれからも安泰だろうか
キュウリの学校も
希望に満ちた子供たちの学校も
等しく守られて躍動できるだろうか
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