
腹が減ったら中華料理、奮発して韓国の焼肉、デートで行くならイタメシか。ちょっとおしゃれにスペイン料理、記念日で奮発するならフランス料理、たまには趣向を変えてタイ料理にインド料理、ビールが楽しみドイツ料理。まてよ、アメリカ料理っていうのは…?そうそう、ハンバーガー屋にフライドチキン、実は一番どこにでもありますなあ。しかし「イギリス料理」っていうのは…はて、聞いたことがありませんねw(゜゜)w
まあないでせう。どだいそんなものあるかどうか。英国人に聞いてみたら、「ハテ…、ポテトチップスかなw」ぐらいしか返ってこないのではないかしら。(注)
米国人もそうですが、英国人はあまり料理をしません。家では主食の(?)じゃがいもを揚げることさえ、まずしません。だいたい冷凍食品を買ってきて、ちーん!で終わります。それ以外なら、豆の缶詰を開けたりしますなあ。ほとんど味のないやつを、よくもまあモリモリ食べられるもんだ。肉なら焼いて、塩&胡椒。野菜なら煮て、塩&胡椒。とってもシンプル^^; つまり素材の鮮度や性質、はては産地にまでこだわった仕入れ、下ごしらえやら味付けといった繊細な作業、煮加減・焼き加減といった技術とセンス、品目のバランスや栄養といった心配りなどに、全くと言っていいほど縁がない。日本人の食に関しての高度な芸術や美意識などとは、あまりにかけ離れた世界なのです。
だから、外食でもブッ飛ぶようなヤツに出くわしたりします。ロンドンの中華街で一番(安いから)流行っているワン○イという店でコースをたのむと、五目うま煮、酢豚、肉野菜炒めといった品々が出てきます。並んでいる料理は、それぞれ色合いが違いますが、食べてみると、ほとんど「おんなじ」です。脂っこい。味は変わらないというか、感じられない。嬉しそうに食べている周りの英国人を見ると、それぞれに醤油や塩&胡椒をかけまくり、パラパラかつフカフカの御飯にかけて、混ぜて食べています。ビビンバじゃないんだから…。
とあるレストランで「野菜カレー」をたのんだら、茄子、玉ネギ、胡瓜!がゴロゴロと、カレー粉がまざったケチャップで煮てあり、タバスコが入っていました。絶句しつつも頑張りましたが、完食は断念せざるを得ませんでした。2000円くらいしたんですよ。
経験から学びましたが、英国では大きな街で、インド人が食べているインド料理屋か、中国人が食べている中華料理屋ならば、なんとかいけそうです。客に英国人が沢山いると、妙に脂っこかったり、変な味付けになっている危険が大ですぜ。
(注)じゃがいもの薄切りを揚げたものを、米国人は(日本人も)「ポテト・チップス」と呼んでいますが、あれは英語では「ポテト・クリスプス」と言います。「ポテトチップス」とは、棒状に切って揚げたもので、米国人が「フライド・ポテト」と呼ぶやつです。英国人は、だいたい略してただ「チップス」と言います。
*わが愛すべき英国人の悪口を言ってしまいました^^; これはつまるところ一般的な価値観の違いで、英国人は日本人に対して、「なぜ食べ物ごときにそんなにこだわるのか」と不思議に思うでしょう。ところで西洋諸国を旅してから帰国すると、日本の街並みはとても汚いことに気付きます。グロテスクと言ってもいい程です。その点英国人は、家や街を花で飾る。景観をなにより大事にする文化がある。そういった美意識については、またの機会に。
*(=゜益゜):;*.':; いま思い出した。英国には、かのサンドウィッチ伯爵が生み出した、「サンドイッチ」があるではないか。パンについてのお話も、またいずれね。