


ご覧の通り、夏にもなると、チェスターの通りはとても賑やかです。感じがいいのは、車がほとんど入ってこないところですね。日本も古い街は、このように車を規制するといいのですが。
このチューダー様式の建物が並んでいるところは、それぞれの2階がぶち抜きになっていて、いろいろな店が並んだショッピングモールになっている。ここをぶらついていると、とある宝石店のウィンドウに飾られているブローチが目についた。それはアメジスト、別名「紫水晶」で、「貴婦人の色」と呼ばれる石だ。
宝石のなかでも、ダイヤは日常生活に属さない、あまりにまばゆい王宮貴族の世界だ。ルビーの赤は華やか過ぎる。その薔薇を連想させる美しさは、いわば魅惑的な香水がもたらすもので、少し社交性が強すぎるかもしれない。アメジストの紫は、その点ずっと控えめだ。しかしその深みは、落ちついた菫(すみれ)の気品を持っている。装飾性の少なさゆえに気を使って飾る必要もなく、いつまでもやさしい慰安をもたらしてくれる、柔らかな芳香のような存在。私が魅かれるタイプの女性にとてもよく似合うのです。。。