この日は宮古から大槌を経て、釜石へ向かいました。海岸線を走るJR山田線が復旧
していないので、バスに乗って移動です。ここをはさむように三陸鉄道は北リアス線も
南リアス線も復旧して頑張って走っているというのに、JRはどうしたんだ?新幹線に
予算を費やしてしまっているのか?
南へ向かうバスを待っていたら、中学生か高校生のお嬢さんが、困った様子で私に
「市役所へ行くバスはどれでしょうか…」と尋ねてきた。「残念ながら私は旅行者
でして…」と言うしかなかった。イケメンすぎるオッサンに声をかけるのは勇気が
いったろうに。。。
しばらくしてこちらはバスに乗り込んだ。するとそのお嬢さん、まだバス停をぐるぐる
歩いている。不親切にもバス停には路線図や停留所一覧などがないのだ。市役所は
前日に自転車で行って写真を撮ったところだ。ポケットには、ホテルにあった「近所の
飲食店マップ」があった。
バスが出発するまで2分ある。私は飛び出して、お嬢さんに声をかけ、地図をみせて
「市役所はこの辺ですよ。歩いて15分くらいだから、歩いたほうがいいよ。この地図
あげるから」と言ったら、ニッコリして「ありがとうございます!」と嬉しそうでした。
カワユイお嬢ちゃんに笑顔で言われて、おぢちゃんのほうが「ありがとう」なんだよ、
と思いつつ出発直前のバスに飛んで戻った。これを逃すと2時間とか遅れるのだw
バスが走り出すと、お嬢ちゃんが地図を見ながら歩き出しているのを追い越して
いった。あの地図には何か所か居酒屋の印がつけてあり、ご丁寧にも「月曜休み」とか
「17:30~」とか沢山書き込んであったのだ。「あのオヤジ、どんだけ居酒屋に
行ってんだ」とあきれたことでしょう。社会勉強にもなったかなー。
バスは山田線にそって走ります。この様子じゃあ、復旧はまだ遠いな…。しかし、
4年経ってこれで再開する気があるのか?
線路も雑草に埋もれてるよ。。。
駅もベニヤ板で閉鎖されたままだ。
踏切は、通せんぼの竹がはずされている。面白いのは、人や車を遮るものがなくなって
おり、逆に線路に入らないように、電車が走る線路の方に通せんぼがされていること。
仮設住宅が見えます。町から離れて大変だろうなあ。
トラックが見える道は、JRの線路だったところです。車の道路も、元のところを直した
部分と、新しく迂回路を作ったところとあちこちつぎはぎです。
ここは吉里吉里。井上ひさしの小説の舞台です。あの話ではあまり海岸線は出て
こないのですが、実は湾岸で大変な被害にあった土地なのです。