朝日新聞の一面に、石巻のタクシーの話が出ていた。
なんと真面目な新聞の一面に、「ヲバケが出る」という話なのである。東スポや
夕刊フジじゃないんですよ。天下の朝日なんですよ。東北の大学生が、震災後の
調査をしたという記事です。
石巻のタクシーの話。真夏だというのに季節はずれのコートを着た女性が乗り込み、
震災地区の住所に行けという。様子が変なので運転手が「あそこにはいま何も
ありませんけど?」と話しかけると、「私、死んだんですか?」と震える声で
言って消えてしまったとか。
そういうのが1回2回の話ではなく、メーターを倒したのに消えてしまうもの
だから料金を取ることができず、自腹で補てんすることになってしまうそうです。
タクシーの運転手にはそういった話をすると怒り出す人もいるとか。多いの?
なんか作り話に聞こえませんよねー!
私はヲバケがいるとしたら、一度お会いしてみたいと思っているんですけど、
残念ながらまだお会いしたことがありません。お会いできたら言いたい。
乗ったのならばせめて料金は払ってね、と。
タクシーの運転手は収入が少なくて生活が苦しいのは有名です。しかも震災地で
ひどいじゃないか。出るんだったら、悪徳政治家だとか、復興につけこんで私腹を
肥やしている連中だとか、東電の役員にしたほうがいーですよw オレデモイイケド
さてさて、そこで思い出したのが震災地区に行くバスに乗ったときのことだ。
「石巻 門脇小学校へ 56」に書いてありますが、もう一度。
私は石巻駅前から、市内循環のバスに乗った。震災地区に行って、津波をかぶって
残骸となった門脇小学校の校舎を見たいと思ったからです。
乗客は私ひとりでバスは出発。
最初は街なかを走り、日和山をぐるりと回って町を一周するコースで、その山の
反対側は津波でほとんど更地になってしまいました。そこにポツンと門脇小学校が
残っているはずなのです。
「門脇小学校前」というバス停があるはずで、バスは広大な更地を走っていました。
なかなかそのバス停のアナウンスがない。どうなっているんだろう、と思った頃に、
バスの運転手がマイクで私に話しかけてきたのです。
あの~、どちらまで行かれるんですか?
門脇小学校に行きたいのですが。
そこはいま通行止めで通らないんですよね。。。
えっ!
いまから考えると、バスの運転手は「また出たかな、こりゃあ!」と思っていた
かもしれません。だって後ろのほうにひとりで乗車して、広大な更地しかない
エリアをずっと乗っているんだから。ぐるりと一周するバスのコースで、半分を
過ぎても乗っているって変ですよねー?とどめに「門脇小学校に行きたいの
ですが…」ときたもんだ。(^益^;
乗客ひとりなので、バスは止まりました。それで私は地図を持って前に行き、
バスのコースを確認。運転手は門脇小学校の近くではなく、海岸沿いの広々とした
更地を通って町に戻っていくコースを教えてくれて、小学校に行くにはこの先で
降りて戻ることになる、と教えてくれました。
そこで震える声を出して、どおして小学校に行かないんだぁ~~ とやったら
冗談にならなかったでしょうなあ。(^益^;
↑これがバスを降りて右に見える小学校に向かって歩き出したところです。
私ひとり降りて、運転手さんは少しホッとしたでしょうか。それとも「あれは
ヲバケだったのかなー」といまだに思っているかもしれませんね~。