時刻はまだ午前中。気仙沼のレジェンド的存在の喫茶店、ヴァンガードにいるのです。
この日は、気仙沼郊外にある「リアス・アーク美術館」に行こうと思っていたのだ。
東日本大震災の記録、そして当地の歴史・民俗資料を展示してるという話で、まあ俺が
関心を持つ内容だ。
しかしとにかくバスが不便!公共交通機関を使うということを想定してないだろ!
少ないバスの時刻を調べ、どしゃぶりのなかを30分歩いて市役所前のバス停へ行った。
バス停に出ている時刻表を見たら、あと2時間ない!? なんでだ???
バス会社がHPで出してある時刻が変更になって、それを更新してなかったってか?
唖然、呆然、愕然ときたもんだ!!!
しかたなく、喫茶店に戻ってきたわけだ。膝から下がぐっしょり。靴は中までびしょびしょ。
ここは地元住民憩いの場。おじーさんたちが朝からやってきて、カウンターにずらりと
座って和気あいあい♪
コーヒーが丁寧にサイフォンで煎れるのに260円。素晴らしい店だ。
美術館に行けなくなった怒りもようやくおさまってくる。地元の新聞を読むと、全国の
ローカル新聞に共通の「破産」、「高齢化」といった言葉が目に入る。
まだ午前中だってのに、天気は大荒れだからホテルに帰るしかない。
傘がおちょこどころか、チューリップみたいになって、その中に頭をつっこんだように
するしかないが、前どころか下も見えんぞ。結局骨は折れ、捨てるしかなくなった。
上着から全部ぐっしょりだ。
「港町ブルース」の碑がどうなったか気になったが、見渡す限りない。じっくり探す
余裕もない。昼飯のために、コンビニでおにぎり2個を買う。
びしょびしょだから、ホテルに帰るのも恥ずかしい。部屋は掃除中だったが、もう待って
られないので途中で切り上げてもらい、ズボンやらなにやらの洗濯だ。。。
3時ごろになって、急に天気が回復してきた。いまさらおせーよ。。。
明日は大船渡に移動だ。美術館に行っている時間はない(そんなに遠くないんだけど、
とにかくバスがねーから)。というわけで、目の前を通過する双頭の船に乗って、大島まで
行ってみようか。池澤夏樹の小説に出てくる「双頭の船」は、これがモデルなんじゃないか
と私は思っているのです。
連日連夜飲み続けているので、この日はついに飲み屋に行くのはよしとくことに。
何せ仮設商店街がなくなったもんで、ぴんぽん以外にどこに飲みに行けばいいんだ?
この「かもめ食堂」は、ホテルのすぐ下。だいぶ人気店のようです。
混むのは観光客がやってくる昼間なのかしら。客はぜんぜんいませんでした。
というわけで、塩ラーメン。あ、ビールは酒に入りませんから。(^益^)w
この器、いいよね^^
特に何もしないで、まったり一日を過ごす、という日もあるのだけれど、この日は暴風雨の
なかを歩いたし、その苦労にもかかわらず美術館には行けなかったし、むなしい一日だった。
ところで、ヴァンガードのマスター、こんな顔だったっけな?と思っていたのですが、
なんとなんと、オーナーもマスターもお亡くなりになって、他の人が受け継いで再開した
とのニュースを読みました。それで営業時間が短くなっていたのかー。
ご冥福をお祈りいたします。ありがとうごさいました。ヴァンガードよ、永遠に。