小野上温泉にたっぷり入り、今宵の宿泊先、前橋に向かいましょう。
すでに暗くなり、吾妻線に乗って渋川、上越線に乗り換えて新前橋、そこから1駅の
前橋に両毛線に乗ります。
そして群馬県・県庁所在地の前橋に到着。新幹線が通る高崎に比べて不便なところに
位置するので、ちと寂れています。
ホテルに荷物を置いて、早速夜の街に繰り出すぞ。
失礼ながら、新潟に続いて群馬の酒はマズイ(個人的な感想です)。なので居酒屋で
地酒を飲むのはやめておいて、昔懐かしの感じがする町中華に入りました。入ろうと
した目の前で、変な山高帽をかむったおっさんが入っていった。そいつとは反対側の
カウンターに座る。すると「チャーハンと餃子!」と、俺が注文しようとした品を
ピンポイントで言いやがる。そうなると同じものを頼みたくない。
なので少し迷った挙句につけ麺にした。チャーハンのほうがよかったな。。。
この町の繁華街には、怪しげな客引きがウロウロしていて「キャバクラどうですかー」
とか言いながら寄ってくる。あまりいい雰囲気ではない。こちらのバーに入りました。
他に客はいなかったので、マスターとしばらく話をする。俺と同じで旅好きだとか。
しかしこういう店を経営していると、なかなか泊りがけで休みはとりにくいでしょう。
しかし毎年大晦日から2泊3日で青春18きっぷを使って旅行するとか。俺が今回の
旅で最初に行った会津若松のバーCozyも好きだそうです。そうだ~、伊那のバーの
マスターも、土曜の深夜に店を閉めてから旅に出て、月曜の開店時間の前までに
帰ってくるなんて旅行をするって言ってたなあ。
わりとこの店で飲んで、もうホテルに帰ろうかと思ったところで、「前橋に来たら
是非行くべきバーがあります。私の師匠の店です」と強く勧められたw
まあそう言われちゃ行ってみるしかありません。。。
こちらに来て見ると、ほぼ満席の人気店。メニューはないので、昨夜小出のバーで
飲んだアードベッグのアンソロジー13年があるのでそれを飲む。スモーキーな
ヘビーウィスキーを甘口ソーテルヌワインの樽で寝かせた素晴らしい逸品。
すると次は、シェリーカスクで寝かせたウィスキーを出して来た。それがこの
グレンファークラス105。なんと60度というキっツいウィスキーだが、シェリーの甘い
香りが味をまろやかにしているのだ。その融合がたまりません。マスター曰く、
サッチャー元首相の執務室にこのボトルが置いてあったとか。さすが鉄の女。。。
残念ながらこのボトルは2000年代のもので、今のはこういう味わいではないとか。
ネットで古いボトルを調べてみたら、これがまたレアものだからなかなかのお値段w
ちとキツイやつを飲んだので、最後はまろやかなブレンディッドをお願いしたら、
これがVAT69。なんと40種類以上のモルト・グレーンウイスキーをブレンドして
作ったものだとか。これぞブレンダーの技を突き詰めた究極の深み。お会計も
逝ってしまったが、贅沢過ぎる満足の一夜となりました。こうやってマスターの
お勧めを相談しながら味わえるのは、オーセンティック・バーの本当の楽しみです。
いいぞ、前橋!