星たちの輝きを背に
ただ物憂げに
いつもと変わらずに
のしかかった重い雲は
ひとところに留まって
それでもまた朝がくる
凍った夕焼けの
焔の燃え残りが
慌ただしい人の波に
のまれもまれて
固い石ころになる
固いかたい石ころになる
※人は雪より白いものはないと信じ
夏の日の海に映える
入道雲の白さを
もう忘れている
艶やかな空には
冬鳥が舞い群れて
太陽という硝子玉は
空一面ころがっても
憂患(うれい)だけが取り残されて
いまだ消えない
十二月の彩りは
風の蒼さだけが透きとおる
銀色に震える
星たちの輝きを背に
今灰色の朝が来ようとしている
それでもまた朝がくる
※※
今灰色の朝が来ようとしている
それでもまた朝がくる
※※※
作詞:前田早智子 作曲:コバタイサオ
(c) 2006, Skyfull Stars
※ 作詞の前田早智子さんは中学2年生でこの詩(原題は「十二月の前奏曲」)を作られ、僕はこの詩を読んでイメージが涌くままに曲を付けました。尚、ほとんど原詩のままですが、一部作曲の都合上こちらで少し詩を補作させて頂きました。