文字拡大の理由として考えられるのは、当然のことながらもっと読みやすい紙面を作ろうという意図だと思いますが、一つの背景として印刷環境の技術改革によって印刷領域が広くなり、縁の余白が小さくできるようになったことがあります。そしてもう一つの理由としては、新聞の主要な読者である中高年を意識してのことではないかと思われます。情報の主役の座をテレビに脅かされ、また最近のインターネット&情報の検索時代になり、新聞のメディアとしての位置づけが大きく変化してきています。こうした中でまだ中高年の人達はインターネットの活用へ流れていないと踏んでいるようですが‥‥。
もっとも文字拡大に加えて漢字率を低下させるなどをすることで、紙面がもっと平易なイメージになれば若者を含め多くの読者が帰ってくることも期待できます。そして、かつてテレビ欄の提供で放送と融和したのと同じく、インターネットを積極的に取り込む戦略も残されていると思います。新聞があらゆる情報を握っていた時代はとうの昔になりました。いったいこれからどこへ向かうのでしょうか。