先日のNHK「かんさい熱視線」で、次世代産業の要となる素材レアメタル(稀少金属)のリサイクルについて、関西企業のアドバンテージが採り上げられていました。液晶テレビや携帯電話を始めとした電子機器の廃棄物に含まれるレアメタルは、それぞれをリサイクル技術により取り出すことができれば、世界の埋蔵量の60%に匹敵する量が我が国に眠っていることになるそうです。
関西にはいろいろな企業がこの先進技術を持ち、廃棄物という“宝の山”からレアメタルを再生しています。番組の中では、例えば小さくても重量が大きいタングステンがマナーモードの振動機能に利用されていることとか、タッチパネルのようにガラス面に吹き付けると透明でありながら電気を通す性質を持つタルタルという稀少金属など、分りやすい解説を加えながらその企業現場を紹介していきます。
ただ問題点も多く、最近の携帯電話はデジタルカメラや写真メールの記録など、また個人データが漏洩する懸念などから、使わなくなっても廃棄せずに保存しておく場合もあり、量的な確保が難しい現実があるようです。これに関しては個人記録を移せるストレージ・サービスを用意したり、回収時にデータ消去を保証することが有効です。リサイクル価格を上乗せして販売し回収時に返却するなど、経済戦略的なコンセンサスも必要となってくるのではないでしょうか。
個別のレアメタルを吸収するバクテリアを使うリサイクル技術を、大阪府立大学が研究しているということも紹介されました。橋本府政に市立大学との合併を示唆されている府立大学ですが、こういった研究成果をぜひ民間との協力体制のもとに地域還元していって貰いたいと思いました。
※ 月曜日の午前11:05~11:30に再放送があります。