千里山の多くの住民に親しまれてきた喫茶店「カフェ・ド・ゴーシュ」が、今月末日を持って17年の歴史に幕を閉じられます。そしていよいよ今週限りとなり、僕も久しぶりにコーヒーを飲みに伺いました。
お店の落ち着いた雰囲気を演出している優しい白色照明が、視力の衰え(早く言えば老眼ですが‥‥)が少し出てきた僕が本を読むには厳しくなり、最近でこそ余り足を運べなかったのですが、フリーのプロダクト・デザイナーとして独立以来現在まで、地元千里山の方達との楽しい交流に恵まれたのも、全てはゴーシュのママさんの導きが有ったればこそでした。千里山商栄会やまちづくり協議会の会員として、また関西大学の学生達が興してくれた音楽イベント「千里山Groovy Bloom」への協力など、ゴーシュのママさんは街の賑わいと活性化に心を尽くされ、多様な人の志や思いを繋ぐ存在でした。
ご自身の体調のことなども少しはお聞きしていたので、いつかはこのような日が来ることは予想されましたが、いざとなればやはり寂しい想いが湧き上がってきました。今日はお客さんも多くお忙しいようで、余りお話しもできずに帰ってきました。ドアを閉める時にベルがいつもと変わらずに、カランと懐かしい音を立てました。
「また、落ち着かれた頃にゆっくり積もる話でもしに、お家に遊びに行かせて貰います」
「そうやね、今日は有り難うございました」
※ 運良く常連のお客さんからの差し入れの、美味しいロールケーキをお裾分けで御馳走になりました。