続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

変らぬ日常、されど・・・。

2013-08-07 06:30:25 | 日常
 我家の前は、いわゆる裏道。路に突き出して建っているような家なので夏などは向こうからも丸見えかもしれないけれど、こちらからも行き交う人がよく見える。
 何気ない日常、前を通る人も重ねて見るようになると、親しみを感じるようになる。
 毎朝の散歩、声高に楽しくおしゃべりしながら通る二人連れ・・・ここ一年近くその声が聞こえない。たまたまその一人をお見かけしたので訊ねてみると、
「もう、そんなには歩けないのです」という。
「・・・」

 毎日、日に幾度も家の前を通るAさん、近ごろ全くお見かけしない。
「あの人ね、痴呆が入っていて、よく歩いているのは単なる徘徊なのよ」と、近所の人。それにしても・・・
 どうしているかしら?確か一人暮らしのはず。気になるけどチャイムを押して訪ねるほどの仲でもない。
 聞けばどうやら転倒による骨折、「でも、家にいるみたいよ」という風の噂。
「年とっても働けるうちは働くんだよ」と言い、「今は資材置き場の番をしているんだ」と言う。
 仕事衆が現場を離れるとき盗難に遭わないように資材の傍で見張り番をしているらしい。すでに八十才を越えていた由。
「元気が一番よ、あなたみたいに足腰が丈夫でどこへでも行かれるなんて羨ましいわ」と言っていたのに・・・。

 変わらない日常、でも・・・思いがけなく変っていく。
「Bさん、お亡くなりになったそうよ」
「で、奥さんは?」
「奥さんは車椅子だったけど、むしろショックで歩けるようになったらしいわ」
 そういえば、日赤の用で訪問したとき「あんた上がってお茶飲んでいきなさいよ」と声を掛けてくれた。事故で腰を痛めたと聞いたけど、大分回復していたんだわ・・・。

 
 地域全体の高齢化・・・予期していた現象。今日何があってもおかしくない切迫した日常である。
 今日の日を有難いと甘受して、感謝の心で過ごさなくては・・・。

『城』1356。

2013-08-07 06:07:19 | カフカ覚書
 彼女は、Kに別れのキスをし、Kがまだ昼食を食べていなかったので、下の台所からもってきたパンとソーセージの小さな包みを渡し、用事がすんだらもうここへ帰らないで、直接学校へ来てちょうだいと念をおし、片手をKの肩において、戸口の外まで送って出た。

 昼食/Mitttag→Mittel/手段。
 パン/Brot→Blut/生命、血統、種族。
 ソーセージ/Wust→Wuste/荒地。
 戸口/Tur→Tour/企み。

☆彼女は軽く触れたが、Kはまだ手段を持っていなかった。意図をもって下(現世)からの血統と荒地という先祖の悩みを持って来た。それによって、むしろここではないと気づき、義務はどうでもいいと言い、彼の背負う国に対する企てに従った。