続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

秋風。

2013-09-06 06:55:06 | 日常
 猛暑日が続くと、秋風が恋しく待ち遠しいものになる。秋風の寂しさは身に沁みているのに・・・。

 猛烈な暑さは人を狂気に陥れる。何が何だか分からないけれど耐え難い暑さは、それ以上の熱情で克服しなければならないとまで思い詰める。若さゆえの思いあがり・・・そして迎える秋はむしろ慟哭に通じる欠落感があった。


 けれど日々を客観的に受け止めてみれば笑止、《酷暑は単に辛いだけ》という当たり前の感想に落着く。九月の涼風は美しく透明な感触をもっている。朝夕のちょっとした出会いは胸が騒ぐほどであり、カタンと音を立てて、ひと夏の終わりを告げていく。


 強烈より安穏がいい・・・小さな平和がわたしのなかでは静かな海になる。

 季節が通り過ぎていく寂しさは、わたしを死の領域へと押しやるけれど、先刻承知の事実には怯えたりもしない。それでいいとすべてに肯定的になる優しさが、秋風の中には隠れている。

《その秋風を待っている!》

『ポラーノの広場』81。

2013-09-06 06:45:38 | 宮沢賢治
「そんなにはっきり書いてあるかねえ。」わたくしはどうしてもそんなにはっきりは読むことができませんでした。けれども花の明りはあっちにもこっちにももうそこらいっぱいでした。
「三千八百六十六、五千まで数へればいゝんだからポラーノの広場はもうぢきそこらな筈なんだけれども。」

 八はエイト(eight)と読んで、永遠。

☆初めは独(唯一つ)の陽であった太陽。
 遷(うつりかわる)永遠の飛躍、無の自由を録(文字に書き記す)ために、語(言葉)を選んでいる。
 崇(気高く尊い)光は常に活きている。

『城』1386。

2013-09-06 06:07:01 | カフカ覚書
だって、嘘をついたのでなければ、もとは客室づきの女中だった出は無いか。彼女は城と関係をもっているということを自覚もせずに、毎日こんなところで昼寝をしてすごしている。しかし、この小柄な、ふとった、いくらかまるい背中をしたからだを抱擁してやれば、彼女の財産とも言うべき城との関係を奪い採ることまではできなくとも、それにふれ、これからの困難な道を進んでいく勇気を汲みとることはできる。

 客室づきの女中/Zimmermadchen→Thema Macht/テーマ、権力。
 小柄/kleinen→Klan/氏族。

☆嘘をついたのでなければ、テーマは権力ではなかった。自分が城(終末=死)と関係があることを自覚し理解している。しかし、この沢山の氏族が周りをぐいと押すような身体で抱き合えば彼女を動揺させる困難な道をも快活に進んでいくことは出来る。