続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

所有者の苦悩。

2013-09-28 07:13:19 | 日常
 財産は無いより有る方がいいと思うけれど、必ずしもそうでないらしいMさんの話。

「義父は働き者で、村一番というくらい農地を広げていったの。で、それを相続した夫は、その土地を離れてのサラリーマン暮らしでしょ。田圃は知人に任せてそのかわり年間のお米だけは送ってもらっているの。でも村の集落は五十世帯、そのほとんどが親族で、冠婚葬祭には必ず連絡が入り、その都度それなりの出費・・・今月も十万円ほど送ったわ。
 わたしが死んだら、あんな遠方に骨を埋葬するなんて考えられないから、パートで働いて市営墓地を買ったの。夫はその時は怒ったけど、最近になって親族に『うちも近くにお墓を買いましたので、こちら(他県)のお墓を引き払おうかと・・・』なんて挨拶してるの(驚いたわ)。そういうわけでお墓のことは、お金はかかっても一安心。
 でもね、売るに売れない田圃の事、家の事・・・これからどうすればいいのか。極端な話、ただ(無料)でもいいの。誰か・・・引き取ってくれないかしら」

 大きくため息をついた友人。年に数回は神奈川県から滋賀県へ、足を運んでいるという。
「家の補修やら法事やら・・・家を取り壊すことも考えたけど、あとの草取りや何か・・・いろいろ問題があるし。捨てるしかないと思っているような道具が古道具屋で見たらいい値がついていてびっくり・・・」

「あんなの無ければ、安穏な人生だったのに、振り回されているわ。年を取ったら余計に負担で、辛いの」


 ・・・(大変ね)

 言葉に出来ない、言葉の返しようが無い。ただ聞いて、肯いて、一緒にため息。そして苦笑い。

『ポラーノの広場』103。

2013-09-28 07:05:26 | 宮沢賢治
「ぢいさん。お待ちよ。また馬を冷しに連れてってやるからさ。」ファゼーロがさけびましたがぢいさんはどんどん行ってしまひました。ミーロはしばらくだまってゐましたがたうとうこらへきれないらしく「おいおれ歌ふからな」と云ひだしました。


☆字で場(空間)を領/自分のものとし、聯(並べてつないでいく)。
 胸(心の中)の考えを化(形、性質を変えて別のものにする)で、運/めぐらせている。

『城』1408。

2013-09-28 06:32:54 | カフカ覚書
しばらくすると、馭者は、「コニャックをお飲みなさるかね」
「うん」と、Kは、相手の申し出にひどく誘惑をおぼえて、ついうっかり答えてしまった。なにしろ、寒くてたまらなかったのである。

 コニャック/Kognak→Kognat/血縁者、血族。
 寒い/frostelte→fliessend/流れる。
 
☆「あなたが血族ですか」「はい」Kは相手の申し出にひどく興味をそそられて、軽率にも答えてしまった。なにしろ、流されていたからである。