職を得て、地道に働き、毎日が日曜日の安息。市民農園で根菜など育てる日常に甘んじているが、ふと気づけば、自分は一体何を為しただろうという疑念に包まれる。入り婿という立場も舅姑を送った今、まったくの自由であり、妻子も健在の平和。
ならば・・・ならばここで!
《金はある!》
パチンコや女に費やす愚とも無縁だった人生、倹しく暮らしていたら残ってしまった通帳の数字。
(死んだら、ただこの金額が空しく残るだけ・・・そんなことがあっていいものだろうか?)
男は考える。
《舅姑亡き後の母屋を取り壊して、今こそ新しい家を建てるべき好機なのだ》と。
解体の費用(350万)新築費用の概算・・・大工にも相談し、設計図も描いた。
しかし、一人っ子の息子、共働きだったために舅姑に育てられた息子は「爺さんが建てた家を壊すなんてことは絶対にダメだ!」と言い張って譲らない。
息子に背を向けられては・・・無念の諦念。
諦められない男はいまだに夢想し続けている。実現可能な夢は、一つ年を取るごとに反比例していく。(現在75歳とのこと)
男の妻である友人は夫の意見も大事だけれど、可愛い一人息子はそれ以上に従わなくてはならない彼女の中の(天子)である。
平和な家の杞憂・・・。
(経済の活性化を思えば、わたしは新築することに一票!)
ならば・・・ならばここで!
《金はある!》
パチンコや女に費やす愚とも無縁だった人生、倹しく暮らしていたら残ってしまった通帳の数字。
(死んだら、ただこの金額が空しく残るだけ・・・そんなことがあっていいものだろうか?)
男は考える。
《舅姑亡き後の母屋を取り壊して、今こそ新しい家を建てるべき好機なのだ》と。
解体の費用(350万)新築費用の概算・・・大工にも相談し、設計図も描いた。
しかし、一人っ子の息子、共働きだったために舅姑に育てられた息子は「爺さんが建てた家を壊すなんてことは絶対にダメだ!」と言い張って譲らない。
息子に背を向けられては・・・無念の諦念。
諦められない男はいまだに夢想し続けている。実現可能な夢は、一つ年を取るごとに反比例していく。(現在75歳とのこと)
男の妻である友人は夫の意見も大事だけれど、可愛い一人息子はそれ以上に従わなくてはならない彼女の中の(天子)である。
平和な家の杞憂・・・。
(経済の活性化を思えば、わたしは新築することに一票!)