現実はドラマのようであり、ドラマを超えてしまうこともある。複雑怪奇、結末は誰にも分からない。
Aさんは、美しく頭脳明晰な妹を心から可愛がり、その彼女の不遇をあらゆる側面から応援し、援助を惜しまないどころか彼女の連れ合いが亡くなってからは娘(姪)たちの学費をも調達している。連れ合いの事業の失敗、再起に向けては一千万以上の出資を・・・並べ立てたらいかほどに・・というくらいの援助資金。なおかつ、妹家族を全面的に応援するに留まらず、夫を亡くし独居のAさんは妹を養女にして家に迎え入れ、姪御さんもAさんの家から嫁がせた。
庭の設えが気に入らないと言えば、大掛かりにリフォーム、床が歪むと言えば、大切な夫の形見の書庫を整理、そして床の張替え・・・妹の要望を受け入れ奮闘。
そのAさん、「82歳になって、足腰がねぇ」とつぶやき無念の翳りを見せた。
「妹さんがいるじゃない」と言ったら、
「ううん」と淋しく首を振り「妹と姪が話していて、わたし聞こえたのよ『叔母さんなんか施設へやればいいじゃないの』って」
「・・・」
Aさんは胸に手を当て、「まだここに仕舞っているの』と笑った。
誰も見返りを求めて行動しているつもりはない。そうしたいから、そうしているにちがいない。だけど、でも・・・。
そういうものなの・・・そうだろうか。奇である。
Aさんは、美しく頭脳明晰な妹を心から可愛がり、その彼女の不遇をあらゆる側面から応援し、援助を惜しまないどころか彼女の連れ合いが亡くなってからは娘(姪)たちの学費をも調達している。連れ合いの事業の失敗、再起に向けては一千万以上の出資を・・・並べ立てたらいかほどに・・というくらいの援助資金。なおかつ、妹家族を全面的に応援するに留まらず、夫を亡くし独居のAさんは妹を養女にして家に迎え入れ、姪御さんもAさんの家から嫁がせた。
庭の設えが気に入らないと言えば、大掛かりにリフォーム、床が歪むと言えば、大切な夫の形見の書庫を整理、そして床の張替え・・・妹の要望を受け入れ奮闘。
そのAさん、「82歳になって、足腰がねぇ」とつぶやき無念の翳りを見せた。
「妹さんがいるじゃない」と言ったら、
「ううん」と淋しく首を振り「妹と姪が話していて、わたし聞こえたのよ『叔母さんなんか施設へやればいいじゃないの』って」
「・・・」
Aさんは胸に手を当て、「まだここに仕舞っているの』と笑った。
誰も見返りを求めて行動しているつもりはない。そうしたいから、そうしているにちがいない。だけど、でも・・・。
そういうものなの・・・そうだろうか。奇である。