続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

奇なり。

2013-09-07 06:39:50 | 日常
 現実はドラマのようであり、ドラマを超えてしまうこともある。複雑怪奇、結末は誰にも分からない。

 Aさんは、美しく頭脳明晰な妹を心から可愛がり、その彼女の不遇をあらゆる側面から応援し、援助を惜しまないどころか彼女の連れ合いが亡くなってからは娘(姪)たちの学費をも調達している。連れ合いの事業の失敗、再起に向けては一千万以上の出資を・・・並べ立てたらいかほどに・・というくらいの援助資金。なおかつ、妹家族を全面的に応援するに留まらず、夫を亡くし独居のAさんは妹を養女にして家に迎え入れ、姪御さんもAさんの家から嫁がせた。

 庭の設えが気に入らないと言えば、大掛かりにリフォーム、床が歪むと言えば、大切な夫の形見の書庫を整理、そして床の張替え・・・妹の要望を受け入れ奮闘。

 そのAさん、「82歳になって、足腰がねぇ」とつぶやき無念の翳りを見せた。
「妹さんがいるじゃない」と言ったら、
「ううん」と淋しく首を振り「妹と姪が話していて、わたし聞こえたのよ『叔母さんなんか施設へやればいいじゃないの』って」
「・・・」
 
 Aさんは胸に手を当て、「まだここに仕舞っているの』と笑った。

 誰も見返りを求めて行動しているつもりはない。そうしたいから、そうしているにちがいない。だけど、でも・・・。


 そういうものなの・・・そうだろうか。奇である。

『ポラーノの広場』82。

2013-09-07 06:27:54 | 宮沢賢治
「だってさっぱりきみらの云ふやうないゝ音はしないんぢゃないか。」
「いまに聞こえるよ。こいつは二千五百五十六だ。」
「その数字を数へるというのはきっとだめだよ。」
 たうとうわたくしは云ひました。
「どうして?」ファゼーロもミーロもまっすぐに立ってわたくしを見てゐます。


☆運(めぐりあわせ)の因(物事が生じる原因)を問う。
 字を選ぶ語(言葉)の飛躍。
 吾(わたくし)の自由な録(文字に書き記すこと) 
 枢(物事の重要な所)は二つあり、崇(気高く尊い)経(経文)の薀(奥義)を流(広めること)を兼ねている。

『城』1387。

2013-09-07 06:07:37 | カフカ覚書
そうなれば、なんのことはない、フリーダの場合とおなじではないだろうか。いや、ちがう。その相違を理解するには、フリーダのあの視線を思いだしさえすればよい。Kは、できれば、ペーピのからだに一指もふれまいとおもった。とは言え、しばらくのあいだ眼をおおわなくてはならなかった。それほど貪婪な眼つきでペーピを見つめていたのだった。

 (決して)~しない/niemals→nie Mals/(決して)~しない、傷痕。
 貪婪/gierig・・・熱望する。

☆たぶん、それはフリーダと同じではないか、いや、ちがう。その相違はフリーダ(平和)の洞察を理解し、考えればいい。
 Kは、傷痕のペーピ(身分証明書)に動揺しまいと思った。先祖に今しばらくの間は眼を覆うことを熱望しているように見えた。